10代の少年2人がエンゼルスを提訴 契約合意を一方的に反故…横行する“口約束”

エンゼルスの契約問題が注目を浴びている【写真:Getty Images】
エンゼルスの契約問題が注目を浴びている【写真:Getty Images】

ESPNが報道、“口約束”なかったことにされたと主張する少年2人

 エンゼルスと口約束した契約が一方的に反故にされたとして、ドミニカ共和国の10代の少年2人が球団を提訴した。米スポーツ局「ESPN」などが伝えている。メジャーリーグ機構の取締りが行き届かない異国での“青田買い”は横行しているといい、この訴えが「大きな影響をもたらすかもしれない」と注目している。

 報道によると、原告は有望株のウィリー・ファニャスとケイデルソン・パボン。ファニャスは14歳の時に180万ドル(約2億5800万円)で、パボンは15歳のときに42万5000ドル(約6100万円)で“口約束”によって契約に合意したという。しかし、球団フロントが変わった途端、一方的に契約をなかったことにされたという。

 プエルトリコ含む米国とカナダ以外の選手は、16歳になるまで正式に契約することが認められていないが、ドミニカ共和国やベネズエラなどでは早ければ12歳から“握手取引”という口頭での契約合意が定期的に行われているという。ESPNも「口頭契約はMLBの取り締まりが限定的な土地でますます一般的になってきている」と問題視している。

 SNSには、エンゼルスの職員がパボンに対して契約の意向を伝えた瞬間の動画も挙がっている。昨年1月15日(日本時間16日)が契約日だったが、あと1か月たらずの時期に正式契約をオファーしないことを通達してきたという。

 訴訟自体は昨年5月に提起されていたが、ここまで報道されずにいた。ESPNは、少年2人が求めている賠償額以上にこの訴訟が大きな影響をもたらすかもしれないと指摘。裁判所の決定次第では「この習慣(口頭契約)はかなり減退するだろう」との期待を示している。

(Full-Count編集部)

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