米専門家が驚いた日本の始球式の“しきたり” 「これは力を込めて投げなきゃ、と」

バーランダー氏は8月に初来日し札幌ドームで始球式を行った【写真:荒川祐史】
バーランダー氏は8月に初来日し札幌ドームで始球式を行った【写真:荒川祐史】

バーランダー氏は8月に初来日し札幌ドームで始球式を行った

 エンゼルスの大谷翔平投手を“溺愛”していることで知られているベン・バーランダー氏が、自身が司会を務めるポッドキャスト番組「フリッピン・バッツ・ポッドキャスト」で、8月の来日時に札幌ドームで行った始球式を回顧した。大谷がかつて立ったマウンドから投球し「あの瞬間はずっと忘れない」と感慨に浸った。

 実は始球式は「知ったのは、試合開始の2時間ほど前」とサプライズだったという。「グラウンドに出て、数年間ショウヘイ・オオタニが投げたマウンドに上がった。彼が103マイルに届いたマウンドだ。土に触れて、スタンドの何万人というファンを見回した。そこで全てを実感した」と同じ景色をかみしめた。

 投じた球については「結構いい球になった。力を込めて投げた。だってきちんとやらないと悲惨な結果になってしまう可能性があるから」と手応え。始球式の際に打者が立つという日本流にも触れ「日本の野球の楽しい情報がある。どの始球式でも必ず打者が立つんだ。その打者は何があってもバットを振る。投げた球がボールになってしまって、始球式を務めた人が嫌な気分にならないように。(この方法だと)何があってもストライクを投げたことになる。だから『これは力を込めて投げなきゃ』と思った。それでいい球を投げられた。あの瞬間はずっと忘れない」と文化の違いを楽しんだようだ。

 別の日の同番組でもこの日のことを振り返ったバーランダー氏。ブルワーズ時代、タイガースに所属していたコディ・ポンセ投手と友人だそうで、始球式前に「とにかくワンバンさえしなければいい、最善を尽くせ、行け、ベン」と激励を受けたことを明かした。

 マウンドに上がった際は「心臓がバクバクしはじめた」というが「『ショウヘイ・オオタニがこのマウンドからたくさんの球を投げた。そこに今お前がいる。自分を含めて、誰にも恥ずかしい思いをさせてはならない』。そして数秒後、僕は始球式で投球した」と大谷を思い浮かべ、気持ちを込めてボールを投じたことを強調。スコアボードには「160キロ」と表示される演出もあり「大勢の人に『100マイル出ていましたね』と言われたけど、間違いない。僕のあの球は100マイルだった。あれはとにかく楽しかった」と貴重な経験に大喜びだった。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY