大谷翔平のMVPを左右する“記者投票の落とし穴” 43年前には同時受賞の「惨事」

ヤンキースのアーロン・ジャッジ(左)とエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
ヤンキースのアーロン・ジャッジ(左)とエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

1位票を多く獲得しても絶対受賞するとは限らない

 エンゼルスの大谷翔平投手とヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手によるア・リーグMVP争いは、甲乙つけがたい戦いのままシーズン最終盤を迎えている。MLB公式サイトでは、現行の投票方法になった1938年以降でただ1度だけ“2人同時受賞”になった稀なケースを過去に紹介している。43年ぶりに珍事が起きるかも注目されている。

 全米野球記者協会(BBWAA)の記者投票によって決定するMVP。30人の投票者がそれぞれ候補選手10人を挙げ、1~10位のランキングを作成する。1位に選んだ選手には14ポイント、2位は9ポイント、3位は8ポイントといったように減点されていき、10位は1ポイントとなる。最終的に獲得した総ポイントが高い選手が受賞者となる。

 1938年以降、両リーグのMVP投票で10ポイント以内の決着となったのは過去14ケース。2001年ア・リーグでは、イチロー(マリナーズ)が289ポイントで受賞したのに対し、次点のジェイソン・ジアンビ(アスレチックス)はわずか8差の281ポイントだった。

 さらに1979年のナ・リーグでは、ウィリー・スタージェル(パイレーツ)とキース・ヘルナンデス(カージナルス)がともに216ポイントで並ぶ事態が発生。MLB公式は「この年のMVP投票の背景は今でも奇妙だ」と振り返っていた。39歳のスタージェルが32本塁打、82打点で“そこそこ”だったのに対し、ヘルナンデスはメジャートップの打率.344で、選手の貢献度を示す指標「WAR」でもスタージェルの3倍以上となる「7.6」を記録。成績ではヘルナンデスが有利だったようだ。

 蓋を開けてみると、スタージェルは最多の10人から1位票を獲得。しかし、10位までに入れなかった記者も4人おり、一方のヘルナンデスは全記者が10位以内に入れていた。大きなポイントは稼いだもののロスも多かったスタージェルと、コツコツと総合的に点を積み重ねたヘルナンデス。MLB公式も「こうした複数の要素が、MVP投票史上唯一の引き分けという惨事を招いたのだった」と綴っていた。

 決して1位票の多さだけでは決まらないMVP。大谷が2年連続受賞となるか、記者投票の行方に注目が集まる。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY