3年前のMLBセーブ王は難攻不落 無双続けるロッテ・オスナの投球をデータで分析

150キロ台中盤の速球に加え、複数の高精度の変化球を備える

 今季のNPBでの記録を見ても奪三振率は10.44(25回で29奪三振)。四球はわずかに3で与四球率も1.08とすぐれた数字を記録している。結果、K/BBは9.67という圧倒的な水準。四球から崩れることはなく、被打率.141と安打を許すことも少ない。1イニングに出した走者の数を示す「WHIP」も0.60と、そもそも走者を出すこと自体が稀になっている。

 次に9月3日までの投球内容から、NPBでの結果球の球種割合を分析。150キロ台の中盤の速球を武器とするが、結果球となる割合は50%に満たない。代わりにツーシーム、スライダー、カットボール、シュートといった多彩な持ち球を、決め球としてそれぞれ10%以上の割合で投げ分けている。

 ツーシームは150キロ超の速さで鋭く変化し、カットボールも140キロ台の中盤に達する。また、140キロ台前半のスライダーは、同じ方向に曲がるカットボールとは僅かに球速差がついており、130キロのチェンジアップで緩急もつけられる。抜群の球威を持ち、技巧派さながらの豊富な引出しとハイレベルな制球力を兼ね備えている点も攻略を難しくしている。

 快速球と多彩な変化球を織り交ぜた「これぞMLBのクローザー」と形容できるオスナのピッチングは、まさに一見の価値あり。残るシーズンも少なくなってきたが、新たな“救世主”の非の打ち所がない投球内容に注目してみてはいかがだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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