巨人で2度の最多勝&7度の2桁勝利 今季限りで引退…内海哲也の“特徴”とは

抜群の制球力…与四球率1点台だったシーズンが5度

 次に、内海がこれまで記録した指標を見ていきたい。2004年から2007年までの4シーズンのうち3年間で、奪三振率が8.30を超えていた。2007年にはセ・リーグの最多奪三振に輝いた。防御率2.96だった2009年、奪三振率は5.76に低下。このシーズンを境に打たせて取る投球にシフトし、2011年以降の奪三振率は全て6点台以下となっている。それでいて2011年と2012年は抜群の数字を記録。モデルチェンジは奏功したと言えるだろう。

 際立つのはすぐれた制球力だ。プロ19年のうち、与四球率が2点台以下だったシーズンは15度。また、与四球率が1点台だったシーズンも今季を含めて5度ある。今季の与四球率が1.54(11回2/3で2四球)、K/BBはキャリア最高の4.00と、40歳という年齢を感じさせない制球力を維持し続けている。

 1イニングごとに出した走者の数を示す「WHIP」に目を向けると、20試合以上に登板してきた2005年から2014年までの10シーズンのうち、平均値とされる1.25を下回った年が6度、1.30以下の年は8度と、安定した水準を維持した。内海の特徴でもある四球の少なさによって、出した走者の数自体が抑えられていたという点も安定感に寄与したと考えられる。

 巨人時代に主力として6度のリーグ優勝を経験し、2012年には日本シリーズMVPにも輝いた実績を持つ。すぐれた人間性を物語るエピソードには事欠かない、多くの人に慕われた人格者。内海から教えを受けた後輩投手たち、そして何より内海本人の残るシーズンにおける奮闘に大きな期待を寄せたい。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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