“左対左は不利”のセオリー無視 DeNA三浦監督が代打・関根を送った根拠と閃き

7回はエスコバーではなく入江を投入、これが8回に効く

 継投策も当たった。2点リードで7回を迎え、普段ならこの回からエドウィン・エスコバー投手、伊勢大夢投手、守護神の山崎康晃投手に1イニングずつ任せるところ。しかし、この日はまず2年目の入江大生投手をマウンドへ送った。入江にとってはプロ入り後初の3日連続登板に。「3連投であることは頭にありましたが、投手コーチとも話し合い、状態のいい入江に行ってもらいました」と三浦監督は言う。

 入江は先頭の大城を内野安打で出塁させたものの、無事後続を断った。この回を入江が担ったことが、次の8回に効いてくることになる。点差を3点に広げて迎えた8回だったが、登板したエスコバーの思わぬ乱調で、無死満塁の大ピンチに。三浦監督が伊勢にスイッチすると、難敵の中田、岡本、代打・中島を“炎の15球”で抑え切り、無失点で切り抜けて見せたのである。

 9回は山崎が2奪三振を含めて3人で片付けた。理想は、今季リーグ最多の67試合目の登板となった伊勢の3連投を避けることだっただろう。だが、伊勢を余らせておいたからこそ、8回の緊急事態に即応し、勢いのつく勝ち方ができたと言える。

 23日からの対ヤクルト2連戦では、マジックを4としている相手が優勝を決める可能性もある。DeNAは昨年も10月26日の対戦でヤクルトに胴上げを見せつけられており、2年連続の屈辱は避けたいところ。三浦監督は「胴上げを見に神宮へ行くわけではないし、胴上げを阻止することを目指しているわけでもない」と語気を強めた。

 最後の最後まで優勝を諦めない、最終的に胴上げされるのは俺だ――というわけだ。崖っぷちの三浦監督は直接対決で、どんな戦術を繰り出すだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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