村上宗隆はなぜ今季アーチを量産? 名伯楽が解説…22歳時点では「松井より上かも」

ヤクルト・村上宗隆【写真:荒川祐史】
ヤクルト・村上宗隆【写真:荒川祐史】

内田順三氏が語る村上「どのボールにも対応できるタイミングの取り方」

 ヤクルトの5年目22歳、村上宗隆内野手がNPB本塁打記録更新と最年少3冠王にばく進中だ。23日終了時点で打率.325、55本塁打、132打点はいずれも1位。2013年にバレンティン(ヤクルト)の60本まであと5本。残り8戦で追いつき追い越せるか注目される。広島と巨人で計37年間コーチを務め、松井秀喜氏の指導にも携わった名伯楽の内田順三氏は村上をどう見ているのか。打撃を解説してもらった。

 1970年から1982年までヤクルト、日本ハム、広島でプレーした内田氏。NPB最多868本塁打、1964年に日本選手最多の55本塁打を放った王貞治氏の現役時代を知る。代名詞の“一本足打法”で構えた時、相手投手は迫力に気圧され、引き込まれるようにどんどん甘い球になっていったという。「今の村上もメンタルが充実している。打ちにいったら甘いボールに感じ、苦しいなと見逃せば自然とボール球。投球を見極められているのではないでしょうか」と推察する。

 現在の無双状態は、技術的にも裏付けがあるという。昨季からの最大の変化は、トップからの入りがコンパクトになったこと。バットが描く軌道の円がホームベース全部を囲め、バットもインサイドアウトで出る。だから「外も真ん中も内角も、どのボールにも対応できるようなタイミングの取り方になっています」。ストライクゾーンを内外角と高低で9分割した場合に「弱点が2つか3つくらいしかないと思います」と説明する。

 飛距離もますます伸びているように見える。内田氏は下半身に注目し「段々大きくなっています。もともと前の壁である右足の内転筋の我慢の仕方が良い。ほどけないで打つから、バットに物凄い力が伝わります」と分析する。

村上は「特殊な打ち方をしていない、どんどん無駄を省ける」

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