“推し”の帰国に「帰ってきて」 ロッテファン、奥山かずさの深い野球愛と夏の思い出

スタジアムでの楽しみ方を語る【写真:本人提供】
スタジアムでの楽しみ方を語る【写真:本人提供】

奥山さんの観戦法「『今日も頑張れ』『今日も頑張れ』と思いながら試合を見ています」

 8月は2度、マリンスタジアムへ。2回目は仙台に住んでいる頃からの友人を誘った。友人は1日オフ。奥山さんは午前中で仕事が終わったため、何をするかは決めずにその友人と会う約束をした。

「私も午後から空いていたので、『野球観に行こうよ。絶対に楽しいから』って言って、無理矢理連れていきました(笑)」

 その友人とは以前、楽天KOBOスタジアム(現楽天生命パーク)には一緒に観に行ったことがあったがZOZOマリンスタジアムでの観戦は始めてだった。応援の楽しさを知っているから、その思いを共有したかった。

「友人は楽天のことは少し知っている子でした。友人が『あれ? なんで?』と言っているので、どうしたのか聞くと『美馬さんが逆……。なんでこっち(ロッテ)にいるの?』って。FAで移籍した経緯を話すと納得してくれていました」

 偶然が、新たな野球の楽しみを教えてくれた。今季からまたロッテを応援する時間が増えたが、奥山さんにとって今年のマリーンズはどのように映っているのだろうか。

「私が見ている試合だけなのかもしれないのですが、あと一本出れば……と走者を塁に残したままチェンジ、みたいなことが続き、悔しい思いをしました。それでもやっぱり球場で見ると、ファンの方たちは諦めずに熱い声援で盛り上げていて、それがいいなと思いましたし、一体感があるなとも感じました。そういう気持ちが大事だなって。なので『今日も頑張れ』『今日も頑張れ』と思いながら試合を見ています」

 華麗な守備のルイス・クルーズ内野手に魅了された大学時代。最近ではレオネス・マーティン外野手が“推し”だったが、シーズン途中で帰国。寂しい気持ちでいっぱいだった。

「悲しい……。悲しいですけど、そういうファンの人たちへ向けてSNSで『僕は大丈夫です』みたいなメッセージを出して、ケアをしてくれていたんです。『マリーンズのことは大好きです』というようなことも書いてありました。自分の言葉で書いてくれていたので、うれしかったです。そんなに悲観的になってはいけないのかな、と思ったりしています。来年もロッテでプレーしてほしいです。絶対にロッテに!(涙)」

 来日4年目のマーティンは、2020年から2年連続で20本塁打以上をマーク。今季は68試合で9本塁打、25打点、打率.163。8月28日に米国へ一時帰国したことが球団から発表された。去就は未定だが、ファンの前にまた姿を見せてくれることを信じている。

奥山かずささんが挙げたロッテの“ポジ要素”は同郷右腕の復活

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