ソフトバンクのPS連勝はなぜ止まった? 専門家が指摘するオリックス打線との差
元4番・杉本が3打数2安打2打点と復調「やっかいな打者に明日以降も対応しないといけなくなった」
オリックスは4回1死満塁から杉本が、2球で簡単に追い込まれながらも粘りに粘って押し出し四球を選び先制。さらに5回も2死満塁から頓宮、西野が連続押し出し四球でリードを広げると、杉本が右前適時打を放ち、この回一挙3点を奪った。ソフトバンクは5回に1死二、三塁の好機を作ったが柳町、甲斐が連続三振に倒れ無得点に終わった。
「オリックスの杉本はシーズンで不調だったが、厳しい内角を無理にフェアゾーン入れないようにファウルにして粘った。打てる球を待つ姿勢が、押し出しの四球を呼んだといえます」
「一方でソフトバンクは日本一の投手に対して工夫が見られない。バットを短く持っていたのも三森ぐらい。何とか食らいつく、ジャストミートするといった姿勢やスタイルがほとんど感じられなかった」
元4番の復調も見逃せない。今季はシーズンで打率.235、15本塁打51打点と苦しんだ杉本が、この日は7番で起用され3打数2安打2打点と奮起した。
CSでいきなり存在感を発揮したポイントゲッターの活躍に「欲も出さずに集中してコンパクトにいく姿勢が感じられる。追い込んだ後もそう簡単に三振しない姿を見せられた、ホークスは吉田正と共にやっかいな打者に明日以降も対応しないといけなくなった」と新井氏。
アドバンテージを含め2勝を手にしたオリックス。最高のスタートを切った中嶋監督だが「押し出しはもらった点ということなりますが、逆に自分たちがああいうことにならないように。アドバンテージは1つも考えていない」と、手綱を緩めることなかった。
2年連続の日本シリーズ進出、昨年果たせなかった日本一に向け中嶋オリックスに隙はない。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)