パドレス進撃の裏にあった“指揮官のブチ切れ” 選手も仰天「衝撃的だった」
メルビン監督が激昂&叱責→翌日に選手たちだけでミーティング
パドレスは18日(日本時間19日)、本拠地でのフィリーズとのリーグ優勝決定シリーズ第1戦に0-2で敗れた。ワールドシリーズをかけた戦いの初戦を落としたものの、ここまでワイルドカード(WC)シリーズからの進撃は目覚ましい。なぜチームは結束したのか。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は、1か月前に起きたボブ・メルビン監督の“ブチ切れ”が転機だと伝えている。
9月15日(同16日)のダイヤモンドバックス戦。パドレス打線は新人右腕のドレイ・ジェイムソンに7回2安打無失点の快投を許し、結局わずか3安打で完封負けを喫した。その時点で74勝62敗で、直近3か月では37勝42敗と大きく負け越し。ワイルドカードでのポストシーズン進出も微妙になっていた。
試合後、敵地のクラブハウスで豹変した。選手の緊張感のなさを叱責し、不満を爆発。その場にいた誰もが驚いた。先発のマスグローブも「悪い意味ではないけど、少し衝撃的だった」「それまで彼のそんな一面を聞いたことも、見たこともなかったからね」と振り返る。
その翌日、主砲のマチャドが中心となって選手だけのミーティングを設けた。指揮官の珍しすぎる激昂を受け、危機を痛感。自分勝手なプレーをしないことや細かい部分にまで気を配ることなどを話し合った。結束力を高めるための方策も思案し、国歌斉唱の時には選手やコーチなど全員参加することをスタメンが提案したという。
実際に以降の試合では国歌斉唱のたびに選手とコーチはほぼ全員、ダグアウトに一番近いファウルラインにユニホーム姿で整列。クローネンワースは「毎日一度、全員が肩を並べて同時にフィールドに立って、一緒にいることができる。見ている人にとっては大した意味はないかもしれないけど、一緒に立っている僕らにとっては、とても意味のあることなんだ」と語った。
それから1か月あまり。捕手のノラは「あれがターニングポイントだったと思う」と言う。WCシリーズでメッツを倒し、地区シリーズではドジャースを撃破した。フィリーズとの初戦ではエースのダルビッシュ有投手が7回2失点と好投しながら援護なく敗れたものの、まだ1試合を終えたばかり。指揮官のおかげで団結したチームは、さらなる高みを目指して戦いを続けている。
(Full-Count編集部)