新人無失点記録と1年で引退選択の“明暗” 「スタート位置が違う」独立L出身選手たち
昨秋ドラフトでは11人が指名受けるも…1軍出場は楽天・宮森のみ
20日に行われた「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」では、今年も10人の独立リーグ出身選手が指名を受けた。支配下では中日5位の濱将乃介内野手(NOL福井)の1人、他の9人は育成契約と決して評価が高くないところからのスタートとなる。念願のNPBの舞台で活躍できるのだろうか。昨年入団した選手を見ると、明暗がはっきり分かれていた。
昨年度は支配下1人、育成10人が指名された。中でも圧倒的な活躍を見せたのは、楽天の宮森智志投手だろう。四国ILの高知から育成1位で入団すると、3・4月のファーム月間MVPに輝き、7月30日には支配下契約を勝ち取った。1軍でも、新人の初登板から22試合連続無失点という日本記録に並ぶなど、26試合で防御率1.54という大活躍を見せた。
新人ではないが“出戻り”で活躍したのがソフトバンクの藤井皓哉投手だ。2020年オフに広島から戦力外通告を受け、昨年は宮森と同じく高知でプレー。昨年12月にソフトバンクと契約、開幕前に支配下登録されると、セットアッパーとして55試合に登板した。5勝1敗22ホールド、3セーブ、防御率1.12と、最終日まで優勝を争ったチームを支えた。
しかし、他の選手は苦しい1年目となった。育成入団から支配下契約を勝ち取ったのは宮森のみ。BC群馬から日本ハムに入団した速水隆成捕手は、わずか1年でユニホームを脱ぐ決断をした。唯一、入団時から支配下だった中日の石森大誠投手も今季の1軍登板はなく、2軍でも17登板で防御率6.33に終わった。
出身選手のほとんどが育成からと、厳しいスタートを強いられる独立リーグ。指導する元NPB選手のひとりは「ただでさえスタートの位置が違う。(プロで生き残るために)死に物狂いでやらないといけない」と厳しい現状も話している。来季、晴れてNPBの舞台に立つ10選手は、周りの想像を超えてはい上がることができるだろうか。
(Full-Count編集部)