燕・内山壮の起死回生弾はなぜ生まれた? 専門家驚愕、失投生んだ「思い切りの良さ」

2球で簡単に追い込まれるも「思い切りのいい見逃し、思い切りのいいスイングが最高の結果を生んだ」

 劇弾が生まれた打席を振り返る。オリックス・阿部が投じた初球のスプリットを見逃し、続く2球目は外角に逃げるボール気味のカットボールを空振り。簡単に追い込まれが、続く3球目のカットボールをファウルで逃げると、2球連続で内角低めのフォークを見逃しフルカウントを作った。そして、高めに浮いた直球を完璧に仕留めた。

「本来なら最低でも走者を進められればいい、と考え打撃そのものが小さくなる。ですが、難しいボールを2球続けてピクリともせず、見逃す大胆さには驚いた。捕手としての配球を読む能力も高いのでしょう。これと決めたら打ちに行く思い切りの良さが、失投を生んだといってもいい。思い切りのいい見逃し、思い切りのいいスイングが最高の結果を生んだと思います」

 ヤクルトにとっては勝ちに等しい引き分けだったといえる。日本シリーズ連覇に向け本拠地で1勝1分け。相手のエース・山本を打ち崩し、2戦目も土壇場での同点劇。これ以上にない展開だが、新井氏は一つ気になる点があるという。

 新井氏は気になる点として「本当に日本一になるのは山田の活躍が必要になる。いい形で村上に繋げられないと、走者がいる場面では歩かされる場面も増えてくる」と語る。

 3番の山田は第1戦で4打席連続三振の無安打。この日は第1打席目で四球を選んだが、その後は好機で凡退し5打数無安打。2戦計9打数無安打と快音は聞かれない。「オスナが好調ですが、もう少し得点力を上げるには村上の前を打つ打者もが重要になってくる」。

 シリーズは中1日を空け、25日から舞台をオリックスの本拠地・京セラドームに移す。史上初の3度のトリプル3を達成した山田の復活にも期待したいところだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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