鈴木誠也は「賢い投資」の好例なワケ わずか1年で手にした揺るぎない“信頼”

カブス・鈴木誠也【写真:ロイター】
カブス・鈴木誠也【写真:ロイター】

カブスの右翼「このポジションの現在と未来はスズキだ」

 カブスの鈴木誠也外野手は、メジャー挑戦1年目にして“揺るぎない信頼”を勝ち取った。鮮烈なデビューから苦しむ時期や故障にも直面したが、レギュラーとして欠かせぬ存在に。カブスの地元放送局「マーキースポーツ・ネットワーク」の電子版では、定位置の右翼について「このポジションはスズキのものだ。右翼については疑念は全くない。スズキがこのポジションで成長し続けていくということが、我々をとても安心させてくれる」と述べている。

 強烈なスタートダッシュは、米国のメディアとファンを驚かせた。日本人野手として史上最高額となる5年総額8500万ドル(約124億円)の契約を結んで海を渡ると、開幕からの10試合で打率.429、4本塁打、11打点をマーク。4月18日(日本時間19日)には週間MVPに輝いた。ただ、5月に左手薬指を痛め、約1か月の負傷者リスト(IL)入り。111試合出場で、打率.262、14本塁打、OPS.769だった。

 同局は「初めてのメジャーリーグシーズンで、スズキは立派なパフォーマンスをした」と絶賛。故障からの復帰後もランニング本塁打をはじめ「復帰後最初の2試合で2本塁打を放ち、見事に復活した」と振り返った。カブスの右翼の今後を見通し「このポジションの現在と未来はスズキだ」と断言。「2022年の経験をもとに、彼は今後も向上し続けることが期待されている」と見通した。

 米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」でも、メッツから今季加入して12勝を挙げたマーカス・ストローマン投手とともに「『賢い投資』のいい例である理由」として紹介。チームは今季74勝88敗でプレーオフ進出を逃したものの「来季はプレーオフの枠をかけて闘えるはずという明るい見立てがチーム内に生まれた」と述べた。

 その上で、メジャー投手へのアジャストや環境への順応、好不調との向き合いなど鈴木が貴重な経験をし、「球宴クラスの打者やゴールドグラブ賞クラスの野手としての才能の片りんを見せた」とも。チームは飛躍への土台を築けただけに「ストローマンやスズキのような構造の契約をより多く結ぶことでロースターの層を重ねていくことだ」と、“好例”として未来を語った。

(Full-Count編集部)

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