誤審問題の解決策に? “ロボット審判と人間の中間”制度が好評「楽しい」「素早い」

メジャーリーグの舞台でもストライク判定のチャレンジ制度が導入される日は来るのか【写真:ロイター】
メジャーリーグの舞台でもストライク判定のチャレンジ制度が導入される日は来るのか【写真:ロイター】

マイナーリーグやアリゾナ秋季リーグで“ロボット審判”を用いたチャレンジ制度が導入された

 MLB傘下のマイナーリーグやアリゾナ秋季リーグで導入されたストライクボールのチャレンジ制度が選手たちに好評だ。“ロボットと人間の中間”とも言える新制度は「素早くて効果的」「とても楽しい」と正確性だけではなく、判定の速さやエンターテインメント性も評価されている。

 このチャレンジ制度は“ロボット審判”と呼ばれる自動ボールストライクシステム(ABS)を活用したもの。従来通り球審がストライクとボールの判定をするが、投手、捕手、打者にはABSシステムに異議申し立てをする権利が与えられる。両チーム1試合につき3度のチャレンジ権が与えられ、成功した場合はその権利を維持できる。チャレンジがあった場合は即座に映像解析システム「ホークアイ」を用いて判定を確認。ホークアイの映像はスタジアムの観客も見ることができる。

 MLB公式は「新しい自動ボールストライクシステムがアリゾナ秋季リーグでヒット」という記事で、実際に同システムを体感した選手たちの声を紹介。ブルワーズ傘下のタイラー・ブラック内野手は「素晴らしい働きをしていると思う。今のところとても気に入っているよ。一番大きいのは、素早くて効果的だということだね。スコアボードに映像を映すところはクールだ。観客の興味を引くのに、とてもいいと思う」と、ファンを楽しませる要素にもなると語った。

 レッドソックス傘下のニック・ヨーク内野手も「とても楽しいよ。誰かがチャレンジするとみんなそれに入り込むんだ」と判定の行方に熱中する選手たちの様子を明かした。3回という限られたチャレンジ権をどのタイミングで使うか、という新しい戦略要素が加わったとの指摘もあった。

 アリゾナ秋季リーグでは、今回計15試合で同システムが活用され、1試合あたり平均4.4回(打者から2.47回、投手、捕手から1.93回)のチャレンジがあり、成功したのは3分の1(33.33%)だったという。打者の成功率は35%と投手、捕手の31%よりも高かった。

 同リーグはメジャー間近のプロスペクトが多く、将来のメジャーリーガーから「多くの支持を得た」と記事は言及。「2023年に行われるルール変更の中にABSチャレンジ制度は入っていないが、未来のシーズンでは可能性がある」と締めくくられている。近い将来にメジャーやNPBでも導入される日は来るのか、注目だ。

(Full-Count編集部)

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