“サイン盗み”は必要ない 17年Vメンバーの8割流出…それでも強いアストロズの育成力

2015年のドラフトで指名したカイル・タッカー(左)とアレックス・ブレグマンは主力として活躍【写真:ロイター】
2015年のドラフトで指名したカイル・タッカー(左)とアレックス・ブレグマンは主力として活躍【写真:ロイター】

生え抜き選手の貢献度はプレーオフ進出12球団でトップ

 今季プレーオフに進出した12球団のうち、生え抜き選手(ドラフトと国際FAで契約した選手)の割合が一番高いのがアストロズで、26人中15人(ドラフト8人、国際FA7人)を占める。打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して、選手の勝利への貢献度を示す「WAR」を見ても、アストロズはチーム全体の57.4のうち、生え抜き選手が35.2を挙げており、ポストシーズンに進出した12球団で一番高いという。

 2020年シーズン前にジェームズ・クリック氏がGMの座に就くと、スカウトの人員を前年比41%も増やすなどスカウティング部門に力を入れた。ゴンザレス氏のもとで、アストロズはキューバ市場を抑え、傘下にはメジャー最多の20人以上のキューバ選手が所属する。

 ゴンザレス氏以外にも、オズ・オカンポ氏は今季2桁勝利を挙げたフランバー・バルデス、クリスチャン・ハビアー、ホセ・ウルキディ、ルイス・ガルシアの4投手獲得に尽力した。アストロズのスカウト人材は豊富で、他球団から引き抜きの声もかかる。「このような長期の成功が実現しているのはスカウティング力のおかげ」と記事は断言する。

 ワールドシリーズを制覇した2017年に、電子機器を用いたサイン盗みを行っていたことが発覚してからつきまとう“不正球団”のイメージを払拭するのは容易ではない。しかし、生え抜き選手が次々と戦力になっていくその目利きと育成力を、他球団はうらやんでいる。

(Full-Count編集部)

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