燕の新星・長岡秀樹、高校入学時は目立たなかった プロの道開いた「地味な練習」
3年目の長岡秀樹、朝の自主練習の時間に「本当に地味な練習をしていました」
惜しくも日本一連覇とはならなかったが、ヤクルトで今季、遊撃の定位置をつかんだのは、3年目の長岡秀樹内野手だ。長岡は千葉・八千代松陰高から2019年ドラフト5位でヤクルトに入団。3年目の今季は139試合に出場し、打率.241、9本塁打、48打点をマークした。好守にも注目が集まる21歳は、どんな高校時代を過ごしたのだろうか。八千代松陰高野球部の兼屋辰吾監督に聞いた。
兼屋監督は長岡が八千代松陰高に入学した2017年に監督に就任。高校での初めての指導に精一杯だったこともあり、入部当初の印象はあまりないと話す。
「入ってきたときから目立っていたわけではなかったですね。1年生だけで練習をすると、『ちょっと守備がうまいショートがいるな』という感じでした。守備が良かったので1年の秋から試合には出ていましたが、当時はプロに行くとは全く思っていませんでした」
八千代松陰高は、学校全体で朝は自主的な活動を行う時間に充てており、野球部の練習も朝は自主練習だ。兼屋監督は、この時間に長岡が行っていた独特の練習方法に驚いたという。
「練習に参加する日も、内容も自分で決めます。守備の練習は、だいたいみんなノックを受けますが、長岡はグラウンドの隅のほうでボールをコロコロ転がしてもらってそれを捕るという、本当に地味な練習をしてました。『こうじゃない、ああじゃない』と考えながらやっていたんだと思います。感覚がいいんでしょうね。ノックを受けたほうが捕った感じがしますから、ああいう練習をする子はいないので、すごく印象に残っています」