GG賞の有資格者で分かる各球団の“穴” 阪神は二塁手、中日は三遊間に候補者なし

中日・石川昂弥(左)と阪神・糸原健斗【写真:荒川祐史】
中日・石川昂弥(左)と阪神・糸原健斗【写真:荒川祐史】

「第51回三井ゴールデングラブ賞」の有資格者リストが10月31日に発表された

 守備の名手に贈られる「第51回三井ゴールデングラブ賞」の有資格者リストが10月31日、発表された。投手は投球回数143回(=規定投球回)を満たすか、シーズンの1/3にあたる登板試合数47以上。野手は各ポジションで71試合以上出場した選手が対象となる。つまり各球団の有資格選手が不在だったポジションは、1年間を通してレギュラーを固定できなかったと考えられる。発表されたリストから12球団の“穴”を探っていきたい。

 セ・リーグでノミネート選手が不在だったのは、阪神の二塁手と中日の三塁手、遊撃手だ。阪神の二塁手は今季、糸原健斗内野手がチーム最多の63試合、ついで山本泰寛内野手が59試合に出場した。しかし、糸原は打率.247、OPS.606。山本は打率.249、OPS.594とどちらも打力に問題を抱え、レギュラー定着には至らなかった。守備指標もともにマイナスの数字だった。

 中日の三塁は、3年目の石川昂弥内野手が開幕スタメンだったが、5月に左膝前十字靱帯不全損傷と診断され、7月に手術を受けて今季絶望となった。その後は高橋周平内野手が58試合、阿部寿樹内野手が56試合を守って穴を埋めた。遊撃手は、昨季レギュラーの京田陽太内野手が5月に立浪監督から試合中の“強制送還”を命じられるなど、40試合出場にとどまった。後半戦は19歳の土田龍空内野手が定位置を奪い、59試合に出場した。

 パ・リーグでは、オリックスの一塁手と二塁手、ロッテの一塁手と遊撃手、ソフトバンク、西武、楽天の三塁手にノミネート選手が不在だった。オリックスの一塁は、外野も守る中川圭太内野手が59試合、終盤スタメンが増えた頓宮裕真捕手が38試合で出場機会を分け合った。二塁は安達了一内野手の62試合が最多だった。この両ポジションを守れる21歳の太田椋内野手が日本シリーズで活躍し、来季に弾みをつけている。

 ロッテの一塁手は、オフに右手の手術を受けた井上晴哉内野手が7月に復帰し、54試合に出場したのが最多。遊撃手は、アデイニー・エチェバリア内野手が64試合、小川龍成内野手が53試合、茶谷健太内野手が52試合と混沌としており、来季はドラフト2位で指名した友杉篤輝内野手(天理大)もレギュラーの座を狙っている。3球団でレギュラー不在だった三塁手は、オリックスの宗佑磨内野手、ロッテの安田尚憲内野手、日本ハムの野村佑希内野手と若手が既定の試合数を満たしており、新たな時代を感じさせる。

(Full-Count編集部)

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