大量17人戦力外の中日、貧打解消の“補強”は不要? 和製大砲ら若手に“覚醒”の予感
6年ぶり最下位…1試合当たりの援護率は「2.93点」と悲惨な現状
6年ぶりの最下位に沈んだ中日は、“貧打解消”という喫緊の課題に直面している。今オフは、すでに育成選手を含めて大量17人を戦力外に。来季に向けて補強待ったなしの状況である反面、この秋は“明るい兆し”も見えてきた。立浪和義監督は、就任2年目で変革を起こせるか注目される。
今季のバンテリンドームにも、快音の代わりにファンのため息がこだました。チーム62本塁打と414得点はいずれも12球団ワースト。本塁打に至っては、リーグ連覇を果たしたヤクルトと実に112本もの差があった。セイバーメトリクスの指標などでデータ分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)によると、投手陣が受けた1試合当たりの援護率は「2.93点」と悲惨だった。
広い本拠地とはいえ、一振りで試合を決める大砲の存在が渇望される。助っ人の獲得なども含めて補強をしていく時期に入ったが、現有戦力も確かな成長を見せている様子。先月に宮崎県内で行われた秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」では大きな収穫があった。
ドラフト2位ルーキーの鵜飼航丞外野手は、14試合で6本塁打と爆発。持ち前の長打力に磨きをかけた姿を見せた。1年目の今季は1軍で59試合に出場し、4本塁打、16打点、打率.206。故障離脱はあったものの、逆方向のスタンドに軽々と放り込むパワーに、ファンは胸を踊らせた。
さらに“伏兵の大砲”も、開花の予感を漂わせた。ドラフト6位ルーキー福元悠真外野手は、フェニックス・リーグで打率.364、2本塁打をマーク。今季1軍ではわずか1試合出場にとどまったが、2軍で過ごした1年間が確かに身になっていることを証明した。
3年目のドラフト1位で、今季ブレークの兆しを見せた石川昂弥内野手は、7月に左膝の前十字靭帯再建手術を受けて長期離脱中。来季中の復帰が見込まれている。20代前半の野手たちが1軍をにぎやかすようになれば、貧弱打線が一変する可能性も。秋季キャンプからオフ、そして春季キャンプの過ごし方にもかかってくる。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。