FA移籍の捕手は新天地で輝いた? 出場激減やUターンの例も…西武・森の決断は
相川と鶴岡は2度FA移籍、中日で出場機会激減の大野奨太
西武・森友哉捕手が今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使したことが球団を通じて発表された。2019年に首位打者を獲得し、リーグMVPを受賞した球界随一の“打てる捕手”だけに争奪戦が予想されている。ここでは過去にFA権を行使して他球団に移籍した捕手を振り返る。
これまでにFA移籍したのは15人17例。代表的な成功例は谷繁元信と城島健司だろう。谷繁は2002年に横浜から中日へFA移籍。黄金時代の“扇の要”として活躍した。2014~15年には選手兼任監督も務めた。(監督専任になった2016年は途中休養)。城島は2006年にソフトバンクから海の向こうのマリナーズへ。4年間で462試合に出場し、431安打、48本塁打を記録した。
2度FA移籍したのが相川亮二と鶴岡慎也。相川は横浜から2009年にヤクルトへFA移籍。2015年に2度目のFA移籍で巨人に渡った。セ在京3球団で通算1508試合に出場、1150安打を放った。鶴岡は日本ハムから2014年にソフトバンクへ。4年間プレーした後、2018年に日本ハムに復帰した。FAで離れた球団に、再びFAで復帰するのは初めての例だった。
新天地でなかなか出場機会に恵まれなかった例もある。橋本将はロッテから2010年に横浜へ移籍。同年は43試合出場で翌2011年は出場機会がなく、オフに戦力外通告を受けた。日高剛はオリックスから2013年に阪神へ。同年は44試合、翌2014年は2試合出場で現役引退している。
近年では大野奨太が2018年に日本ハムから中日に移籍。日本ハムでは在籍9年で794試合に出場したが、中日では5年間で計113試合にとどまっている。2020年は出場機会がなく昨年と今年は8試合ずつに出場しただけだ。西武で森と一緒にプレーした炭谷銀仁朗は2019年に巨人へFA移籍し、昨年7月に金銭トレードで楽天に加入。今季は98試合に出場し、存在感を発揮した。
オリックス中嶋聡監督は、1998年に西武へFA移籍。その後、横浜、日本ハムと渡り歩き、46歳シーズンまで現役を続けた。特殊なポジションである捕手は1軍に定着するのに時間を擁し、FA権を取得した際には既に選手としてのピークを過ぎているパターンが多いが、早くから1軍機会を得た森は27歳。今後も上がり目が期待できるだけに争奪戦は必至だろう。新天地を選ぶのか、残留もあるのか。今後の動きが注目される。