巨人が長野久義獲得で考えられる多数のメリット 10年ぶり日本一へ“不可欠”なもの

巨人へのトレード移籍が発表された広島・長野久義【写真:荒川祐史】
巨人へのトレード移籍が発表された広島・長野久義【写真:荒川祐史】

コーチ陣とのパイプ役、主将の負担減、未来を明るく照らす

 巨人が広島の長野久義外野手をトレードで獲得することが2日、両球団から発表された。37歳の長野にとっては、5年ぶりの古巣復帰。来季、V奪回を目指すチームにとっていくつものメリットがありそうだ。10年遠ざかっている日本一を知る“リードオフマン”の存在は心強い。

 この4年間、対戦相手の広島に在籍しているとはいえ、長野が巨人戦で打席に立つとオレンジのG党から歓声が上がっていた。勢いのある、盛り上がる応援歌はファンの心に今も残っている。今回のトレードの知らせでも「おかえり」という歓迎の声が多く見られる。今季はBクラスに沈んだ巨人にとって、ファンに明るい話題をもたらすことが一番大きな“メリット”といえる。

 長野といえば、人への細かい配慮ができる男として知られ、ベテラン、若手問わず人望が厚い。長く現役で一緒にプレーしていた阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ、鈴木尚広外野守備走塁コーチ、亀井善行打撃コーチらが今は首脳陣にいる。これからの巨人は岡本和真内野手、吉川尚輝内野手ら若い世代が引っ張っていく必要があり、監督、コーチと選手たちのパイプ役としての期待も高い。

 さらに、長野が去り、亀井の引退後、チームを引っ張っている主将・坂本勇人内野手の精神的な負担が減るのではないだろうか。オフの自主トレなども一緒に行う間柄で、ともに高め合ってきた。巨人は2012年以来、もう10年も日本一から遠ざかっている。その時の主力選手が戻ることで、勝つ集団への意識付けをしていくことも可能だ。

 来年は38歳のシーズン。年齢からすると1年中、レギュラーで戦い続けることは難しいかもしれない。ただ、勝負強い長野が代打で控えているだけでも勝負手が増える。今年は中島がスタンバイすることが多かったが、そこに1枚加わる。原巨人が強い時は、レギュラーと控えの力の差がない上、控えの層も厚い。イニングの後ろから“逆算”できるのも強みとなる。まだまだ老け込む年齢でもない。技術的にも十分、活躍できるため、時には1番打者で起用しても、力を発揮するかもしれない。

 巨人も広島に送り出す際は断腸の思いだった。移籍以降、背番号7は空き番号となっているところもポイントだ。今季は58試合と出場機会は減っていたところでのトレードには、広島の配慮、フロントの“親心”も感じ取れる。広島移籍後の4年間も若手の模範となって、プレーを続けてきた。

 ドラフト会議で巨人は高松商・浅野翔吾外野手を1位で獲得した。両打ちではあるが、右打者としてパンチ力がある点、リストの強さが売りでもある未来のスター候補が、10年前の長野のような1番打者に育ってくれることを誰もが願うところ。こうした形で功労者を再び迎え入れ、将来的にコーチなどとしても、今の若手を引き揚げていってもらえるイメージができるだけでも、今回のトレード獲得はチームにとって大きいのではないだろうか。

(Full-Count編集部)

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