かつてのスターは「もう終わった」 禁止薬物とサイン盗み…失態犯した2人の“明暗”

ロビンソン・カノ(左)とアストロズのホセ・アルトゥーベ【写真:Getty Images、ロイター】
ロビンソン・カノ(左)とアストロズのホセ・アルトゥーベ【写真:Getty Images、ロイター】

米メディアがサイン盗みのアルトゥーベと禁止薬物のカノの殿堂入りを検証

 現在行われているワールドシリーズではフィリーズとアストロズが戦っている。アストロズの中心選手、ホセ・アルトゥーベ内野手の将来の野球殿堂入りの可能性を、米メディアが検証している。比較の対象に挙がったのは、同じ二塁手のロビンソン・カノ内野手だ。

 アルトゥーベにもカノにも、キャリアに大きな傷がある。アルトゥーベは2017年のワールドシリーズで話題となったアストロズのサイン盗み、カノは2018年に80試合、2020年には1年間の出場停止処分を受けた禁止薬物の使用だ。どちらも将来の野球殿堂入りを考えると大きな痛手に思えるが、ヤンキースの地元紙「ニューヨーク・ポスト」は、両者の“違い”を指摘している。

 まず前提として考慮されるのは、アルトゥーベがサイン盗みの主犯格とは見られていないことだ。記事では「調査やアストロズの選手たちの話から、アルトゥーベは、このサイン盗みのスキーム(陰謀)から受けた助けは限られたもので、彼はこの助けを望んでいなかったと考えられている」と言及している。

 そして最も大きなポイントは、事件後に残した成績だ。カノは2021年を出場禁止で全休し、今季は3球団を渡り歩いたが33試合で1本塁打、打率.150、OPS.373と散々な結果に終わった。「今シーズンは酷い成績で、彼はもう選手として終わったと考えられている。つまり、彼はクリーンな状態で素晴らしい打者であることを証明すことができなかったのだ」と酷評している。

 一方のアルトゥーベは、2019年にサイン盗みが発覚した後も、短縮シーズンだった2020年を除いて好成績を残している。2021年は146試合に出場して、自己最多タイの31本塁打、打率.278、OPS.839。2022年は141試合で28本塁打、18盗塁、打率.300、OPS.920とますます勢いに乗っている。

 記事では「ここ2シーズンは、ゴミ箱やブザーがないと思われる状況で、キャリアの平均かそれ以上のパフォーマンスをしている。彼は、カノができなかったことやってのけた。つまり、不正をしなくても優秀であることを証明した」と結論付けている。現在32歳にして通算1935安打と大台も目前にしているアルトゥーベ。今後、どのようなキャリアを歩み、殿堂入りもあるのか注目だ。

(Full-Count編集部)

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