痛かったサンズの退団 中堅、右翼は屈指も…足引っ張った“虎の左翼手”

阪神のメル・ロハス・ジュニア、ジェリー・サンズ、島田海吏(左から)【写真:荒川祐史】
阪神のメル・ロハス・ジュニア、ジェリー・サンズ、島田海吏(左から)【写真:荒川祐史】

規定打席到達のサンズが去り、ロハス・ジュニアに期待も…

 3位で2022年シーズンを終えた阪神は、来季に向けた収穫もあった一方で、課題も露見した。改めて昨オフの動きを振り返ってみると、左翼を守り20本塁打を放ったジェリー・サンズ外野手を退団させ、2年目のメル・ロハス・ジュニア外野手に期待を寄せたが、その穴を埋めることはできなかった。外野では、中堅は近本光司、右翼は佐藤輝明がレギュラーという形で1年間を戦ったが、左翼手は流動的だった。

“左翼の穴”は、データでも明らか。セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTAのデータを参照すると、打撃による得点貢献を表す「wRAA(weighted Runs Above Average)」では、阪神の左翼手は12球団中11位の-3.9となっている。近本をはじめとした中堅は11.2で4位、右翼は佐藤輝らがおり3.3で6位。中堅と右翼がともに6位以内なのは阪神だけで、左翼が足を引っ張ったのは明白だ。

 2021年はサンズがリーグ4位のwRAA6.7を記録。左翼全体では5.2でプラスだったが、今季は一転マイナス指標に。規定守備イニングに到達した左翼手はおらず、ロハス・ジュニア、大山悠輔内野手、島田海吏外野手らを併用。もっとも多いイニングで守ったのはロハス・ジュニアだったが、打率.224、9本塁打27打点。助っ人としての結果を出すことができなかった。wRAAはロハス・ジュニアが5.3。大山が3.6とプラスも、島田が-4.5を記録するなど、全体で見るとマイナス指標となった。

 好不調の波こそ大きかったサンズだが、2年間左翼の座を守り、20発前後のHRを打てる助っ人の放出は、結果的に痛かった。今オフはロハス・ジュニア、ジェフリー・マルテら6人の退団がすでに発表されており、カイル・ケラーだけを残して助っ人陣も刷新。今オフ、左翼を担える助っ人の補強は必須と言えるが、その座は埋まるのだろうか。

(Full-Count編集部)

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