群を抜く源田壮亮の安定感、名手たちが“急落”の異変 データで選ぶパの「GG賞」

オリックス・宗佑磨、西武・源田壮亮、楽天・西川遥輝(左から)【写真:荒川祐史】
オリックス・宗佑磨、西武・源田壮亮、楽天・西川遥輝(左から)【写真:荒川祐史】

記者投票で選ばれる選手と、データで選ぶ選手はどこが違う?

 守備の達人を表彰するタイトルに「ゴールデングラブ賞」がある。ただ記者投票で選出されるため、好守の“イメージ”がある選手に有利に作用するのは否めない。もしこのタイトルをデータだけで算出するとどうなるのだろうか。今季パ・リーグを例にチェックしてみよう。14日に発表されるゴールデングラブ賞とどのような違いが出るだろうか。

 データは、セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のものを参照する。用いるのは、守備によって平均的な選手と比べた時にどれだけ失点を増減させたのかを示す「UZR」だ。失点を防げば数値はプラスに振れる。また、チームが戦ったイニング数の半数以上を守った選手(投手は100イニング以上)を対象とする。

 二塁手は外崎修汰内野手(西武)が15.4でトップ。1人で15点強の失点を防いだことになる。これを追うのが三森大貴内野手(ソフトバンク)の10.9。他の規定到達者は浅村栄斗内野手(楽天)が-4.7、中村奨吾内野手が-9.7。中村は昨季は3.3で二塁手トップだった。

 三塁手は意外な結果が出た。規定を満たした3人のうち、安田尚憲内野手(ロッテ)が7.1でトップ。野村佑希内野手(日本ハム)が-1.1で2位。そして最下位だったのは、昨季初のゴールデングラブ賞に輝いた宗佑磨内野手で、-4.6だ。昨季は11.9で、茂木栄五郎内野手(楽天)に次ぐリーグ2位の評価だったのが、急落している。

 遊撃手は源田壮亮内野手(西武)の独走が続く。今年も14.4を記録し、入団した2017年から6年連続でトップだ。2位は今宮健太(ソフトバンク)で5.9。

 外野手は、3つのポジションを総合して上位の数字を残した選手から選びたい。トップは新鋭の高部英斗外野手(ロッテ)で12.5。2位は万波中正外野手で11.2を記録し、3位には荻野貴司外野手(ロッテ)が10.6で入った。一方で、柳田悠岐外野手(ソフトバンク)は-7.2と、数字を大きく落としている。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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