代役は戦力外…京田のレギュラー剥奪は効果なし? 中日貧打に拍車かけた“遊撃問題”

中日・京田陽太【写真:荒川祐史】
中日・京田陽太【写真:荒川祐史】

打撃による得点貢献を表す指標で中日の遊撃は12球団中11位

 今季も貧打に苦しんだ中日で、シーズン序盤から課題として顕在化したのが、遊撃のポジションだった。定位置を担ってきた京田陽太内野手は、打撃不振が守備にも影響したと立浪和義監督の目に映り、レギュラー剥奪。その後は複数の選手が代わる代わる守ったが、事態は大きく好転せず。解決は来季に持ち越しとなった。

 捕手以外で最も守備の負担が大きいとされるポジションで、他球団を見ても“打てるショート”は決して多くない。ルーキー時代からレギュラーを奪取した京田も、常にバッティングを課題に掲げてきた。ただ、今季も兆しは見出せず、開幕当初から打率1割台と低迷。最終的にも打率.172(128打数22安打)で終わった。

 遊撃手の打力不足がチームの貧打を加速させているのは、データでも明らか。セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTAのデータ(https://1point02.jp/)によると、打撃による得点貢献を表す「wRAA(weighted Runs Above Average)」では、中日の遊撃はリーグワーストの「-17.4」。12球団中でも11位だった(最下位はロッテ)。同じ打席数をリーグの平均的な打者が打つ場合の得点増減を数値化した指標で、平均を大きく下回った。

 選手別では、やはり京田が「-6.0」でワースト。しかし、当初“代役候補”として出場機会を増やした三ツ俣大樹内野手は「-3.3」、溝脇隼人内野手も「-1.3」と好影響は与えられず。三ツ俣にいたっては今季限りで戦力外に。今月ヤクルト入りが発表されたものの、立浪ドラゴンズでは来季の定位置候補にはなれなかった。

 シーズン終盤にかけては、高卒2年目の土田龍空内野手が存在感を発揮。立浪監督の53歳の誕生日だった8月19日のヤクルト戦(バンテリンドーム)ではプロ初のサヨナラ打を放った。それでもwRAAで見ると「-5.6」。チームでは京田に次いで悪い数値だった。

 今秋のドラフト会議では、ドラフト2位の村松開人内野手(明大)ら指名した7人のうち実に4人が内野手。新戦力に望みを託すのか、土田のブレークを待つのか、それとも……。立浪監督が就任当初から重要視するセンターライン。早急な課題解決が求められる。

(Full-Count編集部)

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