GG賞はやっぱりイメージ先行? データと半数が“不一致”…試される眼力と価値判断

阪神・近本光司、巨人・吉川尚輝、楽天・炭谷銀仁朗(左から)【写真:荒川祐史】
阪神・近本光司、巨人・吉川尚輝、楽天・炭谷銀仁朗(左から)【写真:荒川祐史】

注目のセ二塁手部門やパ外野手部門で結果が分かれる

 守備の名手に贈られる「第51回三井ゴールデン・グラブ賞」が14日に発表され、セ・パそれぞれ9人が選出された。取材歴5年以上の記者による投票結果は、客観的事実から算出されたデータとの違いも。「イメージ先行」「人気投票」との声も毎年聞こえてくるが、シーズンの“顔”を映し出す面白さもある。

 本塁打や打率、OPSなどで語られる打撃に比べ、評価が難しい守備。失策数や補殺数、守備率など単純な数字では測りにくく、記者たちは“眼力”に頼ることになる。データとして比較対象にするのは、セイバーメトリクスで守備全般を貢献を示す「UZR(ultimate zone rating)」。同じ守備位置の平均的な選手に比べてどれだけ失点を防いだかを数値化した指標で、プロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを用いた。

 セ・リーグでは、9人中5人が違う結果に。注目された二塁手部門では、データ上では巨人・吉川尚輝内野手がトップ。広島・菊池涼介内野手は3位だったが、名手のイメージは簡単には揺るがず、実際には10年連続10度目の受賞となった。巨人・中田翔内野手が日本ハム時代を含めて通算5度目の受賞を果たした一塁手部門は、UZRではDeNAのネフタリ・ソト内野手がトップだった。

 外野手部門では、ヤクルト・塩見泰隆外野手と中日・岡林勇希外野手の“初受賞コンビ”は投票とデータが一致。3枠目は阪神・近本光司外野手が滑り込んだが、UZRではDeNA・桑原将志外野手が上回っていた。ただ、数値の差は1.6で、票差もわずか27。どちらが受賞してもおかしくない状況だった。

パ捕手では楽天・炭谷がデータでトップも…鷹・甲斐が6年連続受賞

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY