ジーターの誘いで金融業から異例の転身 事業部門トップに女性就任は「歴史的な採用」

ヤンキースOBのデレク・ジーター氏【写真:Getty Images】
ヤンキースOBのデレク・ジーター氏【写真:Getty Images】

オコナー氏が事業部門トップ昇格、アングGMと揃って女性は史上初

 マーリンズは14日(日本時間15日)、事業部門のトップにキャロライン・オコナー氏が昇格したと発表した。これによりマーリンズは、事業部門と編成部門のトップがそろって女性という米メジャースポーツ史上初の組織となり、米スポーツ局「ESPN」などが「歴史的な採用」と報じている。

 マーリンズは2020年11月に女性のキム・アング氏をGMとして採用して歴史をつくり、2年後にまた大きな動きを見せたことになる。オコナー氏は「自分にはロールモデル(お手本となる存在)がいなかったので、若い女性たちは私を自分に重ねてほしい。自分もそうなれる可能性があると知ってほしい」と話した。

 MLBチームの事業部門の女性トップは、マリナーズのケイティ・グリッグス氏に次ぐ2人目。オコナーは2017年、当時CEOだったデレク・ジーター氏が同部門のシニアVP(バイスプレジデント)として採用した人物で、2019年にはCOO(最高運営責任者)になっていた。これでアング氏が野球運営部門、オコナー氏が事業部門を担当することになる。

 オコナー氏はニュージャージー州の高校時代は様々なスポーツを経験したアスリート。大学ではコンピュータと金融を学んだという球界には珍しい経歴の持ち主で、卒業後はIBMやUBS投資銀行、総合金融サービス会社のモルガンスタンレーなど大企業で働いた。スポーツ界でのキャリアは考えていなかったというが、ジーターからの連絡に「あれは一生に一度のチャンスだった」と異例の転身を遂げた。

 マーリンズはこの20年近く、野球部門と事業部門両方の好転を目指してきた。2017年にはジーター氏らが率いるグループがオーナーとなり、そのジーター氏はチームを去ったが「採用したアングとオコナーが(チーム再生の)仕上げを任されたことになる」と“慧眼”も注目されている。

 来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は全3ラウンドがマイアミで行われることもあり、オコナー氏は「(マイアミの)市場にはエンターテイメントやスポーツ、野球が大好きで、出かけたり集まったりするのが大好きな人たちが多い。後は誰もが魅力的に感じる経験を作り出すだけ」とこの顧客を取り込みたい考えを口にしている。女性2人がトップに立った球団は、どんな変革をもたらすのだろうか。

(Full-Count編集部)

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