大阪桐蔭、大勝発進も「強さはまだありません」 西谷監督が辛口だった理由

大阪桐蔭・西谷浩一監督【写真:小林靖】
大阪桐蔭・西谷浩一監督【写真:小林靖】

エース兼主将、プロ注目の前田は8回1失点

 秋の日本一を決める「第53回明治神宮野球大会」は18日、開幕ゲームとなった高校の部1回戦で大阪桐蔭が9-1で東邦(愛知)に大勝。クラーク記念国際(北海道)との準々決勝へ駒を進めたが、名将・西谷浩一監督の口からは辛口のコメントが続いた。

 3回には、相手投手の牽制悪送球絡みで2死三塁のチャンスをつかみ、暴投で先制。同点に追いつかれて迎えた4回には、8番・岸本真生内野手(2年)の右翼フェンス直撃の勝ち越し適時三塁打など、6安打を集中。押し出し四球、犠飛もあって、この回5得点のビッグイニングとなった。それでも西谷監督は「発展途上の中の発展途上。未熟な部分がたくさんある。たまたま相手のミスに乗じて点数を取れたが、反省点が多い」と評した。

「“強さ”はまだありません。球際に弱く、イニング間のボール回しを含めてミスがあった。まだ状況を確認していないが、走塁でありえないアウトもあった。端々の弱さがたくさん見えたゲームだった」とも。大量リードした後の5回の攻撃で、二塁走者の岸本が牽制で刺されるシーンもあった。

 一方、プロ注目のエースで主将も務める左腕・前田悠伍投手(2年)は8回8安打1失点と安定感のある投球を披露。西谷監督も「経験があるので、強くいくところと弱くいくところをつくれる。味方が点数を取ってからは、打たせて取る投球に切り替えたのではないか」と称えた。

 昨年の今大会で優勝し、その後、春の選抜優勝、夏のベスト8、国体優勝と抜群の強さを誇った。今年は現時点で指揮官にとってチームの完成度に不満もあるようだが、昨年から主戦投手だった前田を中心に、油断なく練り上げていく。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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