批判意見も…大谷翔平にMVP1位票を投じたワケ 米記者の見解、投票システムに不満も

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

「ジ・アスレチック」のエンゼルス番サム・ブラム記者が理由を明かした

 全米野球記者協会(BBWAA)が選出する最優秀選手(MVP)が17日(日本時間18日)に発表され、ア・リーグで最終候補入りしていたエンゼルス・大谷翔平投手の2年連続受賞はならなかった。大谷に投じられた1位票は2票。ジャッジが満票にならなかったことに、一部では批判の声があった。2票のうちの1票を投じた米メディア「ジ・アスレチック」のエンゼルス番サム・ブラム記者が、大谷を推した理由を明かした。

 初受賞したヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手と大谷の“一騎打ち”とみられていた勝負。ブラム氏は「りんごとオレンジを比較していることと同じだ。彼らは、完全に別物だ。同じ指標で1つの賞を比べることは難しく、満足することはできない。正しいやり方など存在しない」と投票は悩ましかった様子。MVPを決める際に、本塁打、OPS、打率、盗塁、wOBA(得点への貢献度を示す指標)などを比較するが「オオタニの場合、それができない」と振り返った。

「今シーズンのオオタニの活躍だと、100回中99回はMVPを獲得する。ジャッジも同様だ。両者信じられないほど素晴らしいシーズンを送った」というブラム記者。最終的に大谷を選んだ理由は何だったのか。

 1つ目に「打者として非常に高いレベルで打ったこと。そして投手としてとてつもないほど高いレベルで投げたこと。彼は、歴史上最高のシーズンを送った」ことを挙げた。奪三振率11.87はア・リーグトップ。WHIP1.01は同5位で、自身初めて規定投球回数に到達した。打者としても34本塁打、OPS.875、95打点、90得点、304塁打は全てリーグトップ10に入る成績。「彼は投打ともに5本の指に入る、あるいはそれ以上の活躍だった。そして常に出場し続けた」と称えた。

 2つ目の理由は「私の考えでは、MVPを選ぶときに(所属するチームの)ロースターが不利、有利に働いてはいけない」こと。エンゼルスは8年連続でポストシーズン進出を逃し、シーズン終盤は優勝争いに絡むこともなかったが「長期に渡って悲惨的だったエンゼルスの影響を受けてはいけない。私はこの投票システムの実用性について考えさせられた」と不備があることを主張した。

 その上で「両者は高め合い、お互いを称えあった。両者の競争がなければ、これほど素晴らしい1年を送れたと考えることは難しい」と大谷とともにジャッジのことも称えていた。

(Full-Count編集部)

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