巨人・大勢、セイバー指標ではまさかの8位 昨年は逆転現象も…どうなるセ新人王争い

中日・高橋宏斗、阪神・湯浅京己、巨人・大勢(左から)【写真:荒川祐史】
中日・高橋宏斗、阪神・湯浅京己、巨人・大勢(左から)【写真:荒川祐史】

新人王争いをセイバーメトリクスの指標のひとつである「WAR」で検証した

 今季の新人王が25日に行われる「NPB AWARDS 2022 supported by リポビタンD」で発表される。セ・リーグでは、巨人の大勢投手が新人最多タイ記録の37セーブ、阪神の湯浅京己投手が43ホールドで最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得するなど、話題を集めた。では、データで見ると誰が新人王にふさわしいのだろうか。客観的数値でプロ野球の分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)の指標を参考に紹介していく。

 用いたデータは、セイバーメトリクスの指標のひとつである「WAR」。「攻撃評価+守備評価+守備位置補正+投球評価+代替水準対比価値」で算出され、打撃、守備、走塁、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表すことができる。これによって投手、野手にかかわらず、あらゆる選手を同じ土俵で比較することができる。

 セ・リーグの有資格者で「WAR」が最も高かったのは、中日の高橋宏斗投手(3.6)だった。高卒2年目ながら先発ローテーションに入ると、19試合に先発して6勝7敗、防御率2.47とエース級の成績を残した。規定投球回に届かず、勝ち星も伸びなかったが、クオリティスタート(6回以上、自責点3以下)率は68.4%とチームへの貢献度は大きかった。

 高橋宏から大きく離されて「WAR」で2位につけるのは、湯浅と巨人の山崎伊織投手(ともに2.0)だ。湯浅は59試合に登板して2勝3敗43ホールド、防御率1.09。58イニングを投げて67三振、12四球、被打率.185、WHIP0.86と投球内容も圧倒的だった。山崎伊は17試合に先発して5勝5敗、防御率3.14。97回1/3を投げて内容も悪くないことが、データにしっかりと現れている。

 一方で、大勢は有資格者で8位の1.2とデータ上での評価は低かった。57試合に登板して1勝3敗、8ホールド37セーブ、防御率2.05と、巨人の守護神として申し分ない成績を残したが、各指標では同じ中継ぎ投手の湯浅をやや下回っている。昨年は「WAR」で4.0と突き抜けていたDeNA・牧秀悟内野手を破り、1.9の広島・栗林良吏投手が受賞した例もある。実際の投票では誰が選ばれるのか注目だ。

【一覧】巨人・大勢はまさかの8位…データで見るセの新人王有資格者ランキング

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