試合中の“一喝”はなぜ起きた 大阪桐蔭に向けられた疑念…「声出し」はマナー違反?

大阪桐蔭・西谷浩一監督【写真:荒川祐史】
大阪桐蔭・西谷浩一監督【写真:荒川祐史】

クラーク国際・佐々木監督は試合中、相手に「いつまで声を出しているんだ!」と一喝

 20日に行われた「第53回明治神宮野球大会」の第3日目。史上初の“神宮連覇”を狙う大阪桐蔭(大阪)は12-2の6回コールドでクラーク国際(北海道)を破り準決勝進出を決めた。試合中には“声出し”を巡り、クラーク国際の佐々木啓司監督が相手ベンチを注意する一幕があった。

 問題の場面は大阪桐蔭の2回の攻撃。佐々木監督は大声を出す三塁ベンチに向かって「いつまで声を出しているんだ! 投手が投げている」と、身を乗り出し一喝。エース・新岡歩輝投手(2年)が投球動作に入っても声出しを続ける大阪桐蔭ナインを注意した形となった。

 これまで大阪桐蔭は大阪大会、近畿大会、今大会の初戦・東邦戦でも攻撃中の声出しは同じように行っていた。味方を鼓舞したり、気持ちを全面に出す意味を込めたもので、大阪桐蔭以外のチームや、あらゆるカテゴリーの野球でもよく見られる光景といえる。

 試合後、佐々木監督は2回の場面を問われると「ピッチャーが投げようとしている時に『ワーワー』言うのは野球じゃない。紳士的にやらないとダメ」と見解を口にした。大阪桐蔭のベンチが具体的に何を言っていたかは不明だが、不信感を抱いている様子だった。

 仮に球種の伝達行為などが行われていれば、審判もすぐに注意するはずだ。大阪桐蔭の西谷浩一監督も「何かを誘発するような。昔でいったら(走者が)『逃げた』、もちろん球種(を伝える)だとかはダメだと思っている。そういったのではなく、新チームで一生懸命に声を出しているだけ。それもダメなのなら僕の勉強不足です」と否定している。

 自チームの気持ちを高めるための「声出し」とは別に、相手をけなすような「野次」があるのも事実だが、今回の大阪桐蔭は前者。ただ、声出しのルールは明確化されておらず、ある程度のマナーは必要で、相手が不利になるような言動は避けるべきだろう。

【写真】ベンチから試合を見つめるクラーク国際の佐々木啓司監督

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