大阪桐蔭が不可解な失点 西谷監督は審判団に“疑問”「話が食い違ってました」
9回に1点差に迫られるも決勝進出「みんなでよくしのいだ」
秋の日本一を決める「第53回明治神宮野球大会」は21日、神宮球場で高校の部準決勝が行われ、第1試合では昨年の今大会、今春の選抜、10月の栃木国体を制している大阪桐蔭が、5-4で今夏に東北勢初の甲子園大会優勝を果たした仙台育英(宮城)に勝利した。0-1と1点ビハインドの2回には“珍プレー”で追加点を許し、西谷浩一監督が審判に説明を求めた場面もあったが、6回に3点を奪って逆転。23日の決勝へ駒を進めた。
1-2で迎えた6回の攻撃で、1死満塁のチャンスをつかみ、ここで登板した仙台育英3番手の左腕・田中優飛投手(2年)から、2番の山田太成外野手(2年)が左中間へ逆転2点二塁打。さらに1死満塁とし、4番の南川幸輝捕手(2年)も中犠飛を打ち上げ、追加点を奪った。8回にも1点を加えリードを広げた。西谷監督は「前半は1-4、1-5になっていてもおかしくない展開だったが、みんなで良くしのいだ。自分たちのリズムがつかめない時に、どうやって野球をやるかを勉強できた」と手応えを得た様子だ。
守っては先発のエース・前田悠伍投手(2年)が珍しく制球を欠き、5四球と4死球を与えたが、尻上がりに調子を上げ、結局161球6安打4失点で完投。西谷監督は「状態は良くなかったが、自分なりに修正しながらずっと粘り強く投げていたので、最後までいく方がいいと思った」と絶対的な信頼をうかがわせた。
相手の仙台育英は、今夏に続いて最速140キロ以上の投手を5人そろえ、継投が持ち味のチームだ。西谷監督は6回にその継投の隙を突いた格好で、「継投にはいい所もありますが、4人が投げれば立ち上がりが4度あるわけで、マイナス面もある。うまく(リリーフ投手の)立ち上がりをとらえることができました」とうなずいた。
一方、2回の守りでは“珍プレー”で追加点を許していた。無死満塁のピンチで、相手打者のゴロを三塁手・岸本真生内野手(2年)が捕球し本塁へ送球。いったんは「本塁フォースアウト」の判定が下った。ところが、岸本が捕球後、三塁ベースを踏んでから送球したとして(三塁フォースアウト)、本塁ではタッチプレーが行われなかったことから、仙台育英の得点が認められた。
西谷監督は伝令の選手を通じて、審判団から説明を受けた。「プロではないので、映像があるわけではないのでわかりませんが、三塁手は『踏んでいない』という認識。球審の方は『踏んではいないが、グラブが(三塁ベースに)当たった』とおっしゃり、三塁の塁審は『踏んだ』と話が食い違っていました」と首をひねっていた。