10四死球でも敵将脱帽「世代No.1」 大阪桐蔭のエース左腕が見せた“逃げ切り劇”

大阪桐蔭・前田悠伍【写真:小林靖】
大阪桐蔭・前田悠伍【写真:小林靖】

「自分の全てを握っている」と話す不調時のチェックポイントとは?

 秋の学生野球日本一を決める「第53回明治神宮野球大会」は21日、神宮球場で高校の部の準決勝が行なわれ、昨年優勝の大阪桐蔭が5-4で今夏甲子園覇者の仙台育英(宮城)を破った。来年秋のプロ野球ドラフト会議の目玉とも言われる大阪桐蔭の左腕・前田悠伍投手(2年)が先発し、161球の熱投で9回4失点完投。決して調子は良くなかったが、高校生離れした“自己修正能力”を実証した。23日の決勝では、広陵(広島)と対戦する。

 珍しく制球に苦しんだ。前田は立ち上がりの初回と2回に、それぞれ2四死球が絡み1点ずつを献上。球数がかさみ最終的には“人生最多”という161球を要し、6四球&4死球の計10四死球に及んだ。

 それでも全国大会の経験が豊富な左腕は、不調の時のチェックポイントを持っている。「立つ時(右足を上げた時)の感覚です。毎イニング自分なりに意識していて、今日は前に突っ込みがちだと感じ、後ろへ重心を残そうと心がけました」と説明。「自分の場合、立つ時の感覚が全てを握っていると思っています。それがうまくいけば、制球も安定する。自分の力不足でコントロールがビタビタとは決まりませんが、今日はその中でも打者の打ち気をそらしながら投げられたと思います」と納得顔だった。

 大阪桐蔭の西谷浩一監督も「状態が良くなかったので、途中で替えようかとも考えましたが、修正しながら粘り強く投げていたので、最後までいく方がいいのではないかと思いました」。信頼が揺らぐことはなかった。

敵将も脱帽「さすがの投球でしたね」次は広陵と決勝戦

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