正捕手流出したチームのその後 暗黒幕開けの例も…森友哉の西武どうなる?

日本ハムに移籍した伏見寅威、オリックスに移籍した森友哉、ソフトバンクに移籍した嶺井博希(左から)【写真:荒川祐史、中戸川知世】
日本ハムに移籍した伏見寅威、オリックスに移籍した森友哉、ソフトバンクに移籍した嶺井博希(左から)【写真:荒川祐史、中戸川知世】

森友哉、伏見寅威、嶺井博希がFAでそれぞれ新天地へ…影響は?

 この秋はNPB史上初めて、FA宣言した捕手が3人移籍するオフになった。西武の森友哉捕手がオリックスに、オリックスの伏見寅威捕手が日本ハムに、DeNAの嶺井博希捕手がソフトバンクに移籍すると発表されている。過去、2人が移籍した例は2017年の大野奨太(日本ハム→中日)と鶴岡慎也(ソフトバンク→日本ハム)などがあるものの、チームの頭脳とも言える捕手の移籍は、各チームのパワーバランスを大きく変えかねない。

 そこで今回は、正捕手をFAで突然失ったチームはその後どうなったのかを確認してみたい。今回の3人で、最も影響が大きいのは森友哉だろう。今季は102試合出場にとどまったとはいえ、2019年にはパ・リーグの首位打者を獲得したように球界きっての打てる捕手だ。過去、100試合以上出場した捕手がFA移籍した例を見てみたい。

 最も大きな変化を招いた例として記憶されるのが、2001年に137試合に出場した谷繁元信捕手が、横浜(現DeNA)から中日に移籍したケース。2001年の横浜は3位で、1997年から5年連続のAクラスだった。ただ谷繁の移籍で、この栄光は終わりを告げる。翌2002年は最下位。ここから15年間で実に最下位が10回という暗黒時代に突入してしまう。

 2005年には、ソフトバンクから海外FAを宣言した城島健司捕手がマリナーズへ移った。2005年のソフトバンクは89勝を挙げレギュラーシーズン1位。プレーオフで敗れリーグ優勝は逃したものの(当時の制度はプレーオフを勝ち抜いてリーグ優勝)貯金44を誇った。それが翌年はリーグ3位と踏ん張ったものの、貯金は19に激減している。

 2008年オフには、横浜で101試合に出場した相川亮二捕手がFA宣言しヤクルトへ移った。2008年の横浜は借金46で最下位。翌年も借金42で最下位と、正捕手を失った影響はチーム成績上はなかった。

 2010年オフ、西武で112試合に出場していた細川亨捕手がソフトバンクへ移籍した。2010年の西武はパ・リーグ2位だったのが、翌年は3位に。ただ2010年は首位とのゲーム差なしだったのが翌年は20.5ゲーム差をつけられ、勝ち星も10個減っている。

 2013年のオフには、日本ハムで114試合に出場していた鶴岡慎也捕手がソフトバンクへ移籍した。2013年の日本ハムは、前年のリーグ優勝から一転して最下位に終わっていたが、2014年は3位に浮上しクライマックスシリーズ進出を果たしている。100試合以上出場した「正捕手」をFAで失いながらも順位を上げた珍しい例だ。

(Full-Count編集部)

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