イチロー氏にビビらず質問「聞くのは当たり前」 先陣切った“貪欲16歳”の充実2日間

指導を終え、部員一人一人と握手するイチロー氏【写真:代表撮影】
指導を終え、部員一人一人と握手するイチロー氏【写真:代表撮影】

都立新宿高で2日間サプライズ指導…打撃練習中に1年生外野手が積極質問

 野球界の大レジェンドを前にしても、臆することなく貪欲に向き合った。マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が27日までの2日間、都立新宿高をサプライズで訪れて野球部員たちを指導。生徒たちは最初こそ驚きつつも、超一流の技術をめいっぱい吸収しようと積極的に質問をぶつけた。

 1年生の綿貫拓己右翼手は、打撃練習中にイチロー氏に自ら近づいて質問。「ホームランを打てるようになるためにと言われて、ステップ幅を大きくするようにと言われているが、そうすると膝が落ちてしまう。どうすれば?」との課題をぶつけた。

 イチロー氏から「左肩が落ちて、左膝が落ちると力が伝わらない。重心移動はどんな感じでしている?」と逆質問されると、「中学の時に後ろ重心(が自分に合っていると)と分かって、後ろを意識している」と返し、細かい動きについて言葉を交わした。

 その後、イチロー氏は黒色のパーカーを脱ぎ、実演指導。綿貫選手を呼んで「前からピッチャーの球が動いてきて、受けるのは難しい。ポイントが近くなる。(球との)距離を保ちたいから、苦しいから(のけぞるような形になって)かかと重心になって距離を取ろうとする」などと伝えた。

 急に現れた球界の超大物に、先陣を切ってアドバイスを求めた16歳。「自分、たまたま、前にイチローさんが智弁和歌山に行ったときの取材の動画を見たことがあって、その時に、智弁和歌山の選手がいろいろ質問していて、それを見ていて、自分も行かなきゃいけないな、というのと、自然と聞きたいなと思った気持ちと、プラス、監督から一番、最初に行けと言われて」と話した。

 相手が誰でも、自らのために聞く姿勢。「うまい人が来たから質問するというよりも、それは自分は当たり前だと思っていて。自分が聞きたいことを聞くのは当たり前だと思ったので、結果的に積極的になったかなと思います」と充実の2日間を振り返った。

(Full-Count編集部)

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