ホークスのファームのおかげで人口増加!? 筑後市にもたらした恩恵と今後の課題
近隣市町村が人口減少となる中、筑後市は2015年から2020年で488人増加
ソフトバンクは30日、来季からの4軍制導入を正式に発表し、ファーム本拠地「HAWKS ベースボールパーク筑後」で発表会見を行った。この会見には太田宏昭・代表取締役専務COO、三笠杉彦・取締役GM、小川史4軍監督のほか、西田正治・筑後市長も出席。西田市長が会見で語ったホークスのファーム本拠地が筑後市にもたらしたものとは?
来季からの4軍制導入により、新たな転換点を迎えるソフトバンクの育成システム。その根幹となるファーム本拠地は2016年に竣工し、今季が7年目。タマスタ筑後で行われた2軍公式戦の入場者数は、コロナ禍前は年間11万人前後の来場者があった。新型コロナウイルスの流行が始まった2020年以降は減少していたものの、今季は3年ぶりに7万人台を回復し、すっかりホークスのファーム拠点として定着した。
西田市長は会見の中の挨拶で「筑後市に来ていただいて、恩恵を受けたのは『筑後』という名前が全国的に認知された、と。筑後ホークスとか、今年は特にそうでしたけど、若鷹が1軍で活躍してくれましたので、筑後ホークスという名前がマスコミの方々に多く取り上げていただけた」と語る。今季はチーム内に新型コロナウイルスの感染者が続出した夏場に、筑後で育った若手たちが奮闘。「筑後ホークス」とも称された。
さらに西田市長は「この辺の市町村では人口が減っているところが多いんですが、筑後市はなんと人数的には少ないですが、488人人口が増えました」と明かす。筑後市は2010年の国勢調査で4万8512人の人口が2015年には4万8339人と173人減少した。だが、2020年の調査では4万8827人と、近隣の自治体では減少が多い中で、人口が増加したのだという。
西田市長も“ホークス効果”だと語り「周りの市町村の首長さんからは『ホークスが来た』『筑後市は活気がある』と言われます。人口が増えている一因として大きな要因だと思います」。さらに若い子育て世帯の転入も増えいる。地域連携協定により、青少年健全育成においても連携が図られているという。
その反面、課題もある。筑後のファーム本拠地が賑わっても、なかなか筑後市中心部に足を運んだり、市や近隣市町村の観光需要を掘り起こせていない。西田市長も「筑後七国でいろんな取り組みをしているが、なかなかホークスを見に来た方が観光に行くという連携が図れていないというのは課題だと思っています。いろいろなイベント、取り組みをやることで増やしていきたい」と語る。
ホークスが筑後市にもたらしたものは少なくはない。この4軍制導入をキッカケに、より地域との連携を強化し、さらなるメリットを筑後にももたらしていきたいところだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)