トレードの京田は本当に過小評価されてきた? 足引っ張る打撃に隠れた“真の価値”
DeNAへのトレードが大きな話題に…遊撃を担ってきた“価値”
中日の主力だった京田陽太内野手のDeNAへのトレードは、今オフの大きな話題のひとつとなった。課題の打撃がクローズアップされることが多かった一方、負担の大きい遊撃をシーズン通して担ってきたのも事実。これまで“過小評価”されてきたとの声も聞こえてくる。実際はどうなのか、データで現実を映し出す。
京田は1年目の2017年に球団新人記録を塗り替える149安打を放ち、新人王を獲得。以降、チームの懸案だった遊撃の定位置におさまり、安定した守備を見せてきた。ただ、この2年間は苦難続き。2021年にプロ人生初の2軍落ちを経験すると、今季は自己ワーストの43試合出場にとどまった。
打率は2割5分をなかなか超えず、球界屈指との声もあった守備面でもゴールデングラブ賞までには至っていない。5年前の新人王は、色眼鏡を外して見るとどう映るのか。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを用いた。
選手の貢献度を測る上で、最もポピュラーといえるのが「WAR(wins above replacement)」。打撃や守備、走塁、投球を総合的に判断し、あらゆる選手の比較に使える“便利指標”でもある。規定打席に達したチームの野手に限ると、2017年は大島、ゲレーロを上回るチームトップの「3.0」だった。翌2018年は「1.1」でチーム6位だったが、2019年は「2.9」に改善。2020年も「2.4」でチーム3位で、2021年はチームトップの「2.1」だった。