トレードの京田は本当に過小評価されてきた? 足引っ張る打撃に隠れた“真の価値”
守備ではリーグトップの遊撃に君臨した年も
平均より“ちょい上”レベルだが、シーズン通して出場した年はマイナス指標はなし。大きなプラス要因となっているのが、やはり守備面になる。同じポジションの平均的な選手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す「UZR(ultimate zone rating)」では、2019年に「13.1」を記録。セ・リーグの遊撃手でトップを誇った。
さらに見逃せないのが走塁面。盗塁以外の走塁での得点貢献を表す「UBR(Ultimate Base Running)」では、2018年にチーム2位の「5.9」。シーズンによって数字にバラつきはあるが、積極果敢な走塁が吉と出たケースも少なくなかった。
ただ、守備と走塁の奮闘に横槍を入れるのが打撃。同じ打席数を平均的な打者が打つ場合に比べた際の得点の増減を示す「wRAA(weighted Runs Above Average)」は、1年目から常にマイナス。2018年には「-32.3」と大きく低迷した。
京田には光と影の両面があるものの、“打ててナンボ”の潮流に苦しめられてきたひとりであるのは間違いない。裏を返せば、打撃にさえ兆しが見えれば一流の仲間入りできる可能性は大いにある。新天地で問われる真価。ハマスタに快音を響かせた分だけ、再起の足音は近づいてくる。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。