獅子OBの恩師から「口うるさく言われた」 西武ドラ3が吸収した“プロ仕様”の配球

新入団選手記者発表会に臨んだ野田海人【写真:宮脇広久】
新入団選手記者発表会に臨んだ野田海人【写真:宮脇広久】

野田海人の恩師・楠城徹監督は西武スカウト部長なども経験

 西武は6日、都内のホテルでドラフト新入団選手記者発表会を行い、ドラフト3位の九州国際大付高・野田海人捕手の背番号は「38」に決まった。高校時代の監督は元西武捕手で、“プロ仕様”のリードを叩き込まれてきた。

 球団が事前に行ったアンケートで、野田は「これまでで一番苦労したこと」との設問に「高校野球での配球」と答えている。「2年生の頃から配球だけは、監督から口うるさく言われてきました。1球でも違う配球をしたら怒られましたし、投手のコントロールが悪くても自分が怒られました」と苦笑まじりに振り返る。

 九州国際大付高の恩師・楠城徹監督は、1973年ドラフト2位で早大から太平洋クラブ(現西武)入りし、ライオンズ一筋で7年間捕手として活躍した。現役引退後も西武でスカウト、1軍ヘッド兼バッテリーコーチ、スカウト部長などを歴任。楽天へ移って編成部長、スカウト部長などを務めた後、高校野球の指導者に転身している。

 野田は「今思えば感謝したいと思いますが、現役時代は……」と、厳しい指導がよほど骨身にこたえた様子。それでも「プロ1年目は焦ることなく、怪我をしない体づくりを目指してやっていきたい。2、3年目に1軍に定着できればいいと思います」と慎重な姿勢を崩さないのは、楠城監督から自身の経験を踏まえて「怪我だけはするな」と言い聞かされてきたからだ。

 野田は9月に米フロリダ州で行われた「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」で侍ジャパン高校代表に選出されたが、チーム事情で投手として出場した。ちなみに正捕手を張ったのは、DeNAにドラフト1位指名された大阪桐蔭高・松尾汐恩捕手だった。ここで親しくなった近江高・山田陽翔投手も西武から5位で指名され、ワールドカップでは叶わなかったバッテリー結成を楽しみにしている。「山田はツーシームが凄いので、抑えられると思います」と胸を躍らせる。

 一方、西武で球を受けてみたい投手は「平良(海馬)投手です。あの真っすぐを捕ってみたい」。ミットを通じて伝わる最速160キロの衝撃を、今から思い描いている。海馬&海人のバッテリーとなれば、なんともロマンチックな組み合わせだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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