母に渡した8000万円「何も言わなくていい」 ドラ1入団も…いきなり批判された現実

今季限りで現役を引退した坂口智隆氏【写真:中戸川知世】
今季限りで現役を引退した坂口智隆氏【写真:中戸川知世】

合併問題で近鉄が消滅「俺らどうなるんだ?」

 2年目となった2004年も2軍では不動の1番打者として打率.266をマーク。1軍でも7試合に出場し、徐々に頭角を現わしてきたが、シーズン中に球界を揺るがすオリックスと近鉄の球団合併問題が起こる。日本プロ野球史上初のストライキが行われていたが、2軍が主戦場の坂口氏は「ほとんどがテレビで見て知ることばかり」だったという。

 選手会長だった礒部氏が労使交渉や署名活動など反対運動に奔走したが、結果的にオリックスとの合併が決まり、近鉄バファローズは消滅することになった。

「ヤクルトの現役時代は“最後の近鉄戦士”と呼んで頂いて誇りを感じていましたが、当時は『俺らどうなるんだ?』という思いだった。まだ高卒2年目で詳しいことも分からない。不安でいっぱいでした」

 その後、楽天の新規参入が認められるとオリックスとの分配ドラフトが行われ、坂口氏はオリックスに移籍することになった。

「本当に若い選手はバタバタして、マネジャーから移籍が伝えられて、あっという間に引っ越し。すぐにYahoo! BBスタジアム(現ほっと神戸)で合同練習が始まった記憶があります」

 近鉄で過ごした期間はわずか2年間。寂しさを感じる暇もなく新天地となった「オリックス・バファローズ」で新たな野球人生が始まった。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

JERAセ・リーグ

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY