育たぬ高卒投手…三浦監督以来“規定超え”なしの惨状 DeNAに求められる若手の台頭

DeNA・小園健太(左)と引退を決めた浅田将汰【写真:荒川祐史、中戸川知世】
DeNA・小園健太(左)と引退を決めた浅田将汰【写真:荒川祐史、中戸川知世】

2021年ドラ1小園は土台作り重点、2軍でも3試合の登板だった

 DeNAの2021年ドラフト1位小園健太はルーキーイヤーの今季、2軍でも3試合登板と土台作りに重点を置いた。球団にとっては10年ぶりの“高卒ドラ1投手”だっただけに近い将来のエースとして懸かる期待も大きい。しかし気になるのは、チームで生え抜きの高卒投手がなかなか育っていない点だ。規定投球回到達は2013年の三浦大輔(現監督)以来、出ていない。

 最近10年を見てみると、最も実績を残しているのが2013年育成1位の砂田毅樹だろう。2017年には62試合、2018年には70試合登板と左のリリーフとして奮闘。2021年には再び51試合に登板したが、今季は15試合で防御率5.68にとどまり、11月に京田陽太内野手とのトレードで中日移籍が決まった。

 2016年4位の京山将弥はローテーションの柱になる存在と期待されながら今季も2勝どまり。2018年に6勝を挙げたが、その後超えることはできていない。2017年3位の阪口皓亮も昨年プロ初勝利をあげたものの、今季は未勝利。力強い直球が魅力の同年育成1位の中川虎大は8試合登板で防御率4.35、同年5位櫻井周斗は1月に左肘の手術を受けた影響で1軍登板はなく、オフに育成契約を結んだ。

 2018年4位の勝又温史は1軍登板がないまま3年で戦力外となるも、今季から野手の育成選手として新たなスタートを切った。同年育成1位の宮城滝太は念願の支配下切符をつかんだ。

 2014年7位の飯塚悟史はプロ通算23試合登板、2勝10敗で2021年限りで現役を引退。2015年5位の綾部翔は1試合の登板で4年でユニホームを脱いだ。2019年7位の浅田将汰、2012年育成1位今井金太は1軍出場がないまま、わずか3年でチームを去っている。

 2013年から6年連続で大卒投手をドラフト1位指名するなどチーム方針ももちろん影響しているが、生え抜き高卒投手の活躍が少ないのは寂しいところ。2020年は3位の松本隆之介、6位の高田琢登、育成2位の加藤大、2021年は小園と5位の深沢鳳介が入団。1軍デビューに向けて鍛錬の日々を過ごしている。待望の生え抜き高卒投手出現が待たれる。

(Full-Count編集部)

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