千賀獲得のメッツ、575億円の札束青天井 “罰金”だけで他球団の総年俸超えも

メッツ入りが報じられた千賀滉大【写真:藤浦一都】
メッツ入りが報じられた千賀滉大【写真:藤浦一都】

「コーエン税」と呼ばれる最終ラインを軽々と突破し、補強を続けている

 大富豪のスティーブ・コーエン氏がオーナーとして率いるメッツの補強が“青天井”となっている。10日(日本時間11日)には、ソフトバンクから海外FA権を行使した千賀滉大投手と5年7500万ドル(約102億4000万円)で契約合意したと報じられた。米スポーツ局「ESPN」のジェフ・パッサン記者によると、来季メッツの総年俸は3億4500万ドル(約474億円)となり、ぜいたく税が課されるラインを大きく超えている。

 今オフは、ア・リーグのサイヤング賞に輝いたジャスティン・バーランダー投手と2年8666万ドル(約119億円)で契約合意すると、ブランドン・ニモ外野手とは総額1億6200万ドル(約222億6000万円)の8年契約と驚きの長期再契約。さらにホセ・キンタナ投手と2年2600万ドル(約35億7000万円)、デビッド・ロバートソン投手と1年1000万ドル(13億7000万円)、そして千賀と札束が飛び交っている。

 ふくれ上がった総年俸に、パッサン記者は「メッツは今まで見たことがないような7620万ドル(約104億7000万円)の贅沢税を支払うことになり、(年俸合わせると)4億2100万ドル(約575億円)超にのぼる」とメッツの支出を紹介している。地元紙「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン記者も「ぜいたく税だけで、いくつかのチームの総年俸を超える可能性が高い」と言及している。

 ぜいたく税は、戦力の均衡を図るため、大金を投じる球団への“罰金”として設定されている。今年の開幕前に合意した新労使協定では、科されるラインが総年俸2億3000万ドル(約316億円)、2億5000万ドル(約343億円)、2億7000万ドル(約371億)の3段階だったのに加え、4段階目の2億9000万ドル(約398億円)を新設。税率も段階が上がるごとに20%、32%、62.5%、80%と上がっていく。

 米メディアは、この4段階目をメッツのオーナーにちなんで「コーエン税」と呼び、主に“超金満”球団のメッツを標的にしたものだと指摘。実際に当のコーエン氏はこの最終ラインを軽々と突破してしまった。罰金も覚悟の上で大盤振る舞いを続けているメッツが、良くも悪くもオフシーズンを大いに盛り上げているのは間違いない。

(Full-Count編集部)

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