なぜ大幅9000万円ダウンも2年契約? 「行列」北村弁護士が明かした交渉の“裏側”

契約更改交渉を終えた中村晃(右)と北村晴男弁護士【写真:福谷佑介】
契約更改交渉を終えた中村晃(右)と北村晴男弁護士【写真:福谷佑介】

中村晃サイドは3年契約を希望、交渉の末にオプション付きで着地

 ソフトバンクの中村晃外野手が14日、本拠地PayPayドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、減額制限(年俸1億円以上は40%)に迫る9000万円減の年俸1億5000万円(金額は推定)で新たに2年契約を結んだ。一定の条件をクリアした場合に自動的に1年延長となるオプションの付く変則的な“2.5年契約”となった。

 今回の交渉を担当し、テレビ番組「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)でも有名な、代理人の北村晴男弁護士が交渉の舞台裏の一端を明かした。中村晃側は「ソフトバンクで最後までやりたい」という強い希望があり、球団側に3年契約を要望。北村弁護士は「球団側にもいろいろと配慮していただいた」と交渉の末に、1年延長オプション付きの2年契約に着地した。

 契約延長の条件については詳細は明かさなかったものの「一定の条件ですね。打率とかそういうことではなくて、ほぼレギュラー的な活躍ができれば、というふうに理解してもらえれば。それを数字化したようなもの。2軍に長くいるとクリアできないみたいなそんな感じです」とも語った。

 減額制限に迫る9000万円減となったことには「やむを得ない」という北村弁護士。大幅なダウンとなる一方で、出来高の部分で厚みを持たせる内容となっており「頑張れば回復できるようなそういうものにしていただいたのが良かったかなというふうに思います。具体的にはあまり言えませんけど、一つ一つの数字をちょっと大きく、ハードルを下げていただいて、よりモチベーション高く活躍できるようなそういう契約にしていただいたと思っています」という。

 出来高の項目には打撃面だけでなく、守備面も組み込まれており「守備の貢献についてインセンティブをつけていただいた。守備の方はいわゆるUZRについても入れていただいた」と北村弁護士。セイバーメトリクスの守備指標である「UZR」も出来高の項目に入り、大幅なダウンの反面、出来高でダウン分を補えるような契約内容となったようだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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