5球団競合も6年未勝利、入団4年で引退 育成出身初のMLB移籍の裏で…苦戦する鷹のドラ1

ソフトバンク・高橋純平(左)と田中正義【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・高橋純平(左)と田中正義【写真:藤浦一都】

田中正義は在籍6年で未勝利、高橋純平は今季1軍登板なし

 ソフトバンクから海外フリーエージェント(FA)権を行使した千賀滉大投手がメッツと契約合意したと、米メディアが先日伝えた。実現すれば育成出身として初のメジャーリーガー誕生。ソフトバンクでは他にも甲斐拓也捕手、周東佑京内野手ら育成出身の選手が多く活躍しているが、一方で近年はドラフト1位指名選手が苦戦しているという現状もある。

 2015年以降のドラ1選手を見ると、2018年1位の甲斐野央投手が1年目に65登板の活躍。故障を経て今季は27登板と完全復活への足掛かりを築いた。しかし、その他の選手は苦戦が続く。3球団が競合した2015年1位の高橋純平投手は今季1軍未登板。2019年に45登板で17ホールドをあげたが、以降の3年間では昨年の10登板のみで、存在感が薄れている。

 翌2016年ドラフトで5球団が競合した田中正義投手は在籍6年で1軍未勝利。幾度となく故障に見舞われ、今季も右肩痛で開幕直前に離脱。8月に1軍昇格も新型コロナウイルス陽性で再離脱するなど5登板にとどまった。

 2017年1位の吉住晴斗投手は1軍未登板のまま昨季限りで引退した。2020年オフに戦力外となり、育成で臨んだ昨年はサイドスローに挑戦したが実らなかった。2019年1位の佐藤直樹外野手は2年目の昨季1軍デビュー。今季は48試合に出場したが打率.129にとどまった。打力アップが定位置獲りへの課題になる。

 2020年1位の井上朋也内野手はまだ1軍機会はなく、今年8月に内視鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術を受けた。昨年1位の風間球打投手は1、2軍で登板機会はなく現在はオーストラリアのウインターリーグに参加している。ともに高卒で来季以降の飛躍が期待される。

 今秋のドラ1は誉高校のイヒネ・イツア内野手。将来のショートとして大きな期待が寄せられている。来季から4軍制を敷くソフトバンク。競争はさらに激化するが、“栄光のドラ1戦士”は来季、どんな働きを見せてくれるだろうか。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY