サッチーは「すっごい、べっぴんさん」 失言連発だった18歳、忘れられない“強烈初対面”

元南海・立石充男氏【写真:山口真司】
元南海・立石充男氏【写真:山口真司】

リンカーンコンチネンタルでの送迎…沙知代さんが「乗って」

 そして、指定された日、受付に行った。「どんな人だろうかなって思っていたんですけど、びっくりしました。えーってなりました」。初めて見た沙知代さんの姿は今でもよく覚えているそうだ。「30人くらいの先頭に立って、歩いてくるわけですよ、ドレス着て……。すっごい、べっぴんさんでした。めっちゃ、スタイルも良かったし」。芸能人に例えれば「安室奈美恵さんをちょっと大きくした感じだった」という。

 あの電話での一件については「何も言われませんでした。全然普通でした。受付の仕事が終わって『ご苦労様、ありがとう』って」。河埜氏とともに会場のホテルから難波駅まで車で送ると言われた。「リンカーンコンチネンタルですよ。沙知代さんが『乗って』って。すごい車で、本当に乗っていいのかって思いましたね」。車が駅に着くと人が集まってきたという。「どんな人がってことだった思いますけど、降りたのは僕らでしょ、ああって感じで、みんないなくなりましたけどね」。

 野村さんにかわいがられ、野球に関するいろんなことを学んだ立石氏だが、この一件で、沙知代夫人に覚えられたのも大きかったのかもしれない。「次の年、練習中に、まだよちよちだったカツノリ(野村克則)の子守をしたこともありました。とにかくチョロチョロするんですよ。このことをカツノリに言ったら大笑いしてましたけどね」。

 立石氏はプロ3年目の1978年に1軍に昇格。内野のユーティリティプレーヤーとして活躍した。打率.286の好成績を残した1984年には「伝説の隠し球」でも有名に。現役引退後は南海・ダイエー、中日、近鉄などでコーチを務め、多くの選手を育てている。熱血コーチとしても知られる存在だが、熱すぎるゆえに仰天のエピソードも……。中日1軍コーチだった1996年、ナゴヤ球場で、あの闘将・星野仙一監督に向かって怒鳴ったことがあったという。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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