現役ドラフトで6人移籍…“ロマン砲”がなぜ人気? 大成せずも貴重な大器

現役ドラフトで中日に移籍した細川成也(左)と西武に移籍した陽川尚将【写真:荒川祐史、小林靖】
現役ドラフトで中日に移籍した細川成也(左)と西武に移籍した陽川尚将【写真:荒川祐史、小林靖】

細川成也、陽川尚将、オコエ瑠偉らパンチ力ある右打者が多く移籍

 現役ドラフトで移籍した選手が、続々と新天地で入団会見を行っている。指名された12人のうち、右打ち野手が6人。中でも“和製大砲候補”と呼ばれていたパンチ力のある選手の移籍が目立った。なぜ右の強打者は人気だったのか。現役ドラフトのルールや、球界のトレンドも一因になっているのかもしれない。

 指名された顔ぶれを見ると、大きな期待を受けて入団したが、くすぶっていた選手が目立った。細川成也外野手(DeNA→中日)や陽川尚将内野手(阪神→西武)、オコエ瑠偉外野手(楽天→巨人)らは毎年、「今年こそは」と言われながらレギュラー奪取とはならなかった“有望株”。他にも正隨優弥外野手(広島→楽天)、大下誠一郎内野手(オリックス→ロッテ)らも1軍でパンチ力ある打棒を見せることはできなかった。

 右の和製大砲は貴重な存在。各球団では助っ人に頼ることも多い。大成しにくい一方で、「当たれば飛ぶ」才能は、大化けした際の見返りは大きい。オリックス・杉本裕太郎外野手も入団から5年でわずか9本塁打にもかかわらず、2021年には32本塁打で本塁打王に。キッカケひとつで変わる可能性はあるだけに、移籍は心機一転する意味でも選手に大きな与えそうだ。

 放出したチームには、戦略的な選択があったことも考えられる。現役ドラフトでは、各球団2人以上の対象選手を選択。予備投票で獲得希望選手を事前に1人選び、他球団からの獲得希望を最も多く獲得した球団から指名できるルールだった。より人気のある選手を対象に選んだ球団ほど有利になるだけに、貴重な大砲候補が選ばれたという見方もできる。

 現役ドラフトは、出場機会に恵まれない選手を飼い殺しにしないという目的でスタート。移籍した選手は新天地で“未完の大器”のまま終わらず、活躍することはできるだろうか。

(Full-Count編集部)

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