若き大砲が台頭も…モロに食らった助っ人大不振 ロッテが直視すべき“課題”

ロッテ・山口航輝【写真:荒川祐史】
ロッテ・山口航輝【写真:荒川祐史】

期待の若手がレギュラー定着&タイトル獲得

 ロッテは今季、3年ぶりのBクラス転落となる5位に終わった。「頂点を、つかむ。」のチームスローガンを掲げて臨んだが、スタートダッシュに失敗。一時は盛り返したものの、夏場以降は再び失速した。打線は迫力に欠けた一方で、明るい兆しも。野手陣の戦いぶりを振り返る。

 これまで打線の中軸を担ってきたレオネス・マーティン外野手が大不振。故障などでの出遅れや戦線離脱も相次ぎ、苦しい打線のやりくりが目立った。そんな中、存在感を見せ続けたのが3年目の高部瑛斗外野手。オープン戦トップの打率.393で初の開幕スタメンを勝ち取ると、勢いそのままにレギュラーに定着。リードオフマンとしての役割を全うした。最終的には44盗塁で盗塁王を獲得。リーグ2位の148安打を放ち、ゴールデン・グラブ賞にも輝いた。

 キャプテン就任2年目の中村奨吾内野手も、開幕からチームを支え続けた。5年連続の全試合出場は逃したが、チームトップの138試合に出場して12本塁打、15盗塁。2年連続の2桁盗塁に加え、本塁打も3年ぶりに2桁を記録した。

 助っ人の不調もあり、チーム本塁打数が126本から97本へと大きく落ち込んだが、2人の若き和製大砲が台頭した。3年目の山口航輝外野手は、102試合の出場でチームトップの16本塁打をマーク。前半戦は代打などでの起用に限られていたものの、後半戦からはクリーンアップに定着。特に9月は1試合3本塁打の活躍を含む月間6本塁打で、自慢の長打力を見せつけた。

 4年目の安田尚憲内野手もキャリアハイの9本塁打を放った。前半戦は低空飛行が続いたが、8月には打率.320、4本塁打。さらに、三塁の守備でも総合的な守備力を示すセイバーメトリクスの指標「UZR」で12球団トップとなる7.1をマークした。

 新戦力では高卒ドラフト1位ルーキー・松川虎生捕手の働きが際立った。プロ野球史上3人目となる高卒新人での開幕スタメンマスクに抜擢され、捕手陣トップとなる70試合にスタメン出場。特に佐々木朗希投手とのコンビでは令和初の完全試合の立役者にもなるなど、17試合でバッテリーを組んで7勝を挙げた。一方で、打撃面では打率.173と苦戦。来季は課題の打力を向上させて、不動の正捕手に君臨できるか。

流動的だった遊撃…2軍では平沢が首位打者&最高出塁率

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