2度の戦力外から“監督兼GM兼投手” 眠れる大砲は社会人へ…NPBの外でつかんだ現役続行

日立製作所入りした真砂勇介(左)と士別入りした中村勝【写真:藤浦一都、編集部】
日立製作所入りした真砂勇介(左)と士別入りした中村勝【写真:藤浦一都、編集部】

日本ハム、オリックスで戦力外となった中村勝は再び北海道へ

 この秋も多くのプロ野球選手が戦力外通告を受け、新たな生きる道を模索している。とはいえNPB球団への移籍が決まるのはほんのひと握り。近年増えているのは、NPBの外に出て野球を続けるケースだ。ここではプロとしての経験を様々な形で還元しようとする選手を紹介したい。

 オリックスを戦力外となった中村勝投手は、独立リーグ・北海道フロンティアリーグ(HFL)の士別サムライブレイズに身を投じ、監督兼GM兼投手に就任する。日本ハムでチームメートだった大谷翔平投手も驚きの“三刀流”だ。

 中村は2009年ドラフト1位で日本ハムに入団し、2014年には8勝をマーク。2017年に右肘のトミー・ジョン手術を受け、翌年復帰したものの、2019年限りで戦力外となった。2020年は豪州のウインターリーグ、2021年はメキシカンリーグでプレー。今年2月にテスト生としてオリックスのキャンプに参加して育成契約をつかみ、シーズン中には支配下に昇格したが戦力外通告を受けた。今季は3試合に登板して0勝1敗、防御率8.53。NPB通算では63試合に登板して15勝18敗、防御率4.17。

 また、巨人から戦力外通告を受けた平間隼人内野手は、九州アジアリーグの福岡北九州フェニックスと入団に合意した。26歳の平間は、四国アイランドリーグの徳島から2019年の育成ドラフト1位で巨人入り。昨年6月に支配下登録され1試合に出場も、昨オフに再び育成契約に。その後支配下復帰はならず、戦力外通告を受け11月の12球団合同トライアウトに参加していた。

 最近増えているのが、社会人野球入りするケースだ。ソフトバンクから戦力外通告を受けた真砂勇介外野手は、来季から古豪・日立製作所に加入する。身体能力の高さから右の柳田悠岐という意味の「ミギータ」が愛称で大きな期待を寄せられ、2016年の「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」ではMVPにも輝いた。2軍では好成績を残す一方、1軍ではなかなか結果を出せず、2021年の79試合出場が最多。今季は29試合の出場にとどまり、オフに戦力外通告を受けた。

(Full-Count編集部)

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