防御率6位なのに11敗…不運に泣いた左腕 佐々木朗希の裏で、ロッテ先発陣に“明暗”

ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】
ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

チーム最多勝は美馬学の10勝、佐々木朗希は規定未達ながら9勝をあげた

 昨季はチーム51年ぶりとなる優勝マジックが点灯するも、惜しくも優勝を逃したロッテ。「頂点を、つかむ。」のチームスローガンを掲げて臨んだ今季だったが、スタートダッシュに失敗。一時は盛り返したものの、最終的には3年ぶりのBクラス転落となる5位に終わった。ここでは今季の先発陣を振り返る。

 今季のロッテを語る上で欠かせない存在といえば、佐々木朗希投手。今季は開幕ローテーション入りすると、初登板で自己最速の164キロを計測するなど、シーズン序盤から自慢の速球を武器に躍動。4月10日のオリックス戦では令和初となる完全試合の快挙を13者連続奪三振、日本記録タイの19奪三振とともに達成した。最終的には20登板で9勝4敗、防御率2.02の好成績を収めた。突出していたのが奪三振率。129回1/3で173奪三振。その割合は12.04に達した。これは最多奪三振のタイトルに輝いたオリックス・山本由伸投手の9.56を上回る。イニング数が増えれば、来季のタイトル獲得も十分にあるだろう。

 開幕投手を務めたのは石川歩投手。自身2年ぶりの大役を白星で飾ると、3、4月は6登板で防御率0.87の好成績を残した。その後も先発としての役割を十分に果たし続け、20試合の先発で7勝7敗、防御率2.93、うち15試合でクオリティスタート(QS)を記録した。シーズン最終盤はコンディション不良の影響で離脱しただけに、来季は1年間投げ抜き、3年ぶりとなる規定投球回到達を目指したいところだ。

 小島和哉投手はチームで唯一、2年連続規定投球回に到達。昨季10勝を挙げた活躍から背番号を「14」に変更して臨んだ今季は安定した投球を続けながらも勝ち星には恵まれず。6月10日のDeNA戦でようやく今季初勝利を挙げた。しかしその後も苦しい投球は続き、リーグ6位の防御率3.14、QS率62.5%とローテーション投手として十分な数字を残しながらも3勝11敗の成績。来季こそ2年ぶりの2桁勝利を果たしたいところだ。

 投手陣最年長である美馬学投手の働きも光った。前半は開幕4連敗と厳しいスタートとなったが、後半戦は大車輪の活躍。一時は新型コロナウイルス感染で離脱も、7月下旬からは6連勝、特に9月は4勝0敗、防御率0.83の成績を残し、最終的には2年ぶりの2桁勝利となる10勝6敗、防御率2.91をマークした。移籍4年目となる来季も、ベテランとしてチームを引っ張る投球を見せられるか。

 来季は吉井理人監督が就任する。2年ぶり現場復帰となる新指揮官が、どのようにシーズンを通して安定した先発陣を築き上げ、運用していくのか注目される。

(「パ・リーグインサイト」和田信)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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