期待の若手たちが試合に出られない…空前の大補強、鷹で懸念される“ベンチ漬け”
近藤の加入で柳町や正木、上林、周東らの出場機会が激減?
2年ぶりのリーグ奪還を目指したソフトバンクは今季、目前まで迫りながらも最終戦で頂点を逃す悔しい結果になった。来季のリーグ優勝、日本一を目指して、このオフは大型補強を敢行。FAで近藤健介と嶺井博希を獲得し、ロッテから自由契約となったロベルト・オスナ、阪神から自由契約となったジョー・ガンケルが加入することも決まった。また、ウイリアン・アストゥディーヨ、コートニー・ホーキンスも加わる。
その中でもやはり注目は、日本ハムから移籍となる近藤だろう。高い打率と出塁率を期待できるNPB屈指のアベレージヒッターで、レギュラーとして外野の一角に入ることが確実。主に左翼での起用になると見られているが、そこで懸念されるのが期待の若手たちのチャンスの減少だ。
左翼に近藤が入り、中堅は来季からセンターに専念する牧原大成がレギュラーの最有力候補。主砲の柳田悠岐には指名打者での起用の可能性もあるが、それにしても外野の枠は限られる。今季レギュラークラスに成長した柳町達や来季2年目となる正木智也、怪我から復帰を目指す上林誠知らによる激しいレギュラー争いが勃発する。
来季は栗原陵矢が三塁手に転向することもあって、周東佑京のポジションも難しい。二塁手や外野もこなせるが、前述の通り、外野の競争は熾烈。さらに二塁手にも今季レギュラーに成長した三森大貴がおり、ポジションを奪うのは容易ではない。周東もまた難しい立ち位置に立たされそうだ。
嶺井が加入したポジションには正捕手に甲斐拓也がいる。来季は甲斐と嶺井が中心になってマスクを被ることになりそうだが、そうなると海野隆司や渡邉陸、谷川原健太といった面々の出場機会が限られてしまう。将来も見据えた上で、どうマネジメントしていくか、藤本博史監督の手腕が問われそうだ。
投手陣は千賀滉大が抜けることもあり、オスナ、ガンケルの補強は的確なものと言える。来季のV奪還は至上命令。常勝を課されているソフトバンクだけに目の前の勝利は絶対のもの。勝利を求めつつ、どう若手を融合させて育成もしていくか。注目のシーズンとなる。