和製大砲は全滅危機、不動の4番はお払い箱も…大胆補強の中日、避けられぬ“煽り”

中日・鵜飼航丞(左)とダヤン・ビシエド【写真:荒川祐史】
中日・鵜飼航丞(左)とダヤン・ビシエド【写真:荒川祐史】

大胆な戦力整備に乗り出した反面、補強で“煽り”を受ける選手も

 最下位からの巻き返しを図る中日は今オフ、大胆な戦力整備を進めてきた。主力の二遊間コンビを放出した反面、待望だった“一発が期待できる”助っ人を獲得。現役ドラフトもへて、弱点を埋めようとする意図は明確に見える。一方で、補強によって煽りを受ける現有戦力も。キャンプやオープン戦次第では、チームの勢力図が大きく変わる可能性もある。

 新戦力の目玉といえば、やっぱり助っ人陣。メジャー通算41本塁打のアリスティデス・アキーノに加え、2020年まで中日でプレーしたソイロ・アルモンテも“出戻り”となった。2人の加入によって窮地に立たされるのが、不動の4番に君臨し続けてきたダヤン・ビシエドだ。

 チームの助っ人事情を見ると、2022年に最多セーブに輝いたライデル・マルティネスと最優秀中継ぎを獲得したジャリエル・ロドリゲスは欠かせない。野手3人体制は考えづらく、誰かが弾き出されることは容易に想像できる。新助っ人はともに外野手だが、アルモンテに一塁の選択肢が出てくれば、ビシエドが来日8年目にして“お払い箱”になる現実も待っている。

 外国人の存在は、もちろん日本人選手にも大きな影響を与える。期待の若手では、大砲候補の外野手が渋滞気味に。2021年ドラフト2位の鵜飼航丞と同6位の福元悠真はシーズン後の秋季教育リーグで覚醒の兆しを見せ、現役ドラフトではDeNAから細川成也を獲得。来季高卒7年目を迎える石垣雅海とベテランの域に入った福田永将も、本職は内野だが外野での出場経験もある。

 2022年の状況から考えると、中堅は岡林勇希、左翼は大島洋平で不動。右翼にアキーノ、一塁にアルモンテかビシエドが入るとなると、和製大砲たちは“全滅”する危険性もある。長距離砲の宿命とはいえ、熾烈なアーチ競争の号砲が球春到来とともに鳴り響くことになる。

 投手陣でも、通算154勝の涌井秀章がトレードで加入。エースの大野雄大や柳裕也、小笠原慎之介、高橋宏斗らは順当にいけばローテ当確なのを考えると、残る枠は1つになる可能性も。6勝を挙げた松葉貴大らを中心に、“6人目の男”争いが勃発するかもしれない。いずれにしろ、チーム内競争が促されれば、おのずと選手層も厚くなる。立浪和義監督のうれしい悲鳴が聞こえてくることを願いたい。

(Full-Count編集部)

JERAセ・リーグ

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY